連日、報道がヒートアップしているのが、日本時間10月26日に始まるMLBワールドシリーズ(以下=WS)ドジャース×ヤンキースのチケット狂騒曲だ。
東西のビッグチームによる43年ぶりの激突に加え、大谷翔平とアーロン・ジャッジという、50本塁打以上を放ったスラッガーによる史上初の対決など、話題には事欠かず。二次販売で取り引きされている最高額が1枚6万ドル(約900万円)など、常軌を逸したチケット戦争が展開されている。MLBに詳しいスポーツライターがため息をつく。
「最高額といわれた第1戦の6万ドルチケットはすでに売れたようですが、もはやどれが本当の最高額なのか見当がつきません。10月22日には600万円ほどするバックネット裏のチケットが販売サイトから消えましたが、ベンチ上あたりの席の相場は350万円から450万円程度。最低額は1枚18万円。これは外野スタンド最後方の立ち見席です」
当然ながらWS観戦ツアーが日本の旅行代理店によって企画され、第6戦と第7戦の3階後方席の弾丸ツアーの最低料金は70万円程度だ。
こんな狂騒曲を見せられたからか、日本の野球ファンが不安に陥っているのが、来年3月18日と19日に東京ドームで開催される「ドジャース×カブス」のMLB開幕戦チケットだ。
「年明けに抽選販売されるという噂ですが、まだ詳細は発表されていません。過熱の一途をたどる大谷フィーバーがチケット代を釣り上げるのではないか、と」(スポーツ紙デスク)
ドジャースは今シーズン、韓国でパドレスとの開幕戦を行ったが、この時のチケット代金は最高額が8万円。座席のある最安値が2万2000円、立見席は1万3000円だった。来年の東京ドーム開幕戦は、これを大幅に上回ると言われている。
そこで競技は違うが、メッシ、エムバペ、ネイマールが来日して大きな話題となった、2022年の欧州サッカーチームの来日ツアーのひとつ、パリサンジェルマンの国立競技場開催と比較すると…。あのツアーでは超高額VIPプランを除けば、一般チケットは国立競技場の1階スタンドが13万円から15万円だった。
「WBCの東京ドーム開催のように、細かくカテゴリーが分けられるでしょう。バックネット裏などの最上級シートには数十万円のプレミア価格がつく、という予測があります。そして人気が集中するベンチ寄りの1階内野スタンドは、ドジャースタジアムでの通常のリーグ戦の前方内野席価格である800ドルは下らないのでは、とも。現在の円相場でいうと、1枚12万円以上に設定されることになります。となると、普段の東京ドームで最も安い2階スタンド後方席が3万円程度と予想されていますね」(前出・スポーツ紙デスク)
一部のVIP席だけは超高額に設定し、日本人の経済事情を考慮して、通常シートで10万円を超える金額は設定しないはず、という有識者の意見はあるが、気軽に観戦したい一般ファンにとっては、かなり勇気が必要な「大谷鑑賞料金」となりそうである。
(田村元希)