チャンピオンズCは、JRAのダート重賞の中では「欧州芝要素」が強い血統馬が走りやすいレースです。特にここ数年、好走が目立つのが父か母父キングマンボ系の馬。同系統は日本の芝でもサンデーに次ぐ主流系統です。
19年の1着馬クリソベリルは、父がサンデー系で母父がキングマンボ系。20年に1着、21年は2着だったチュウワウィザードは、父がキングマンボ系で母父がサンデー系。22年は父か母父がキングマンボ系の馬が1~3着を独占。この3頭もサンデー系との組み合わせでした。
そして昨年勝利を収めたレモンポップも父がキングマンボ系で、9番人気で3着したドゥラエレーデは、父がキングマンボ系で母父がサンデー系でした(出走馬の血統系統、国別血統タイプはオフィシャルサイトの「スマート出馬表」で無料公開中)。
また、地方交流重賞を好走して人気になった馬が、毎年のように凡走するレースでもあります。
20年は前走JBCクラシックを圧勝したクリソベリル、22年も前走JBCクラシックを圧勝していたテーオーケインズが共に単勝1番台という断然の1番人気を背負って4着。JRAとは問われる適性が異なるため、地方交流重賞の内容は直結しません。
逆に20年、10番人気で3着のインティや、昨年12番人気で2着のウィルソンテソーロのように、前走、地方交流GⅠで凡走していた馬の期待値は高くなります。
スレイマンは父がキングカメハメハ。当レースで最も多い3頭の勝ち馬を出している種牡馬で、同系統が父か母父の馬も過去5年で4勝を挙げています。そして母はドナブリーニ。姉にGⅠ7勝を挙げたジェンティルドンナやドナウブルーがいるように欧州型の名繁殖牝馬で、当レース向きの配合馬と言えます。
前走は地方交流重賞のテレ玉杯オーバルSに単勝1倍台の1人気で出走するも2着に敗れたように、地方競馬では力を出し切ることができませんでした。
先に書いたように、地方の競馬に適性が合っていない馬の方が当レースに向く可能性は上がりますので、前走、人気より走れなかったことも買い材料になります。
亀谷敬正(かめたに・たかまさ)テレビ、専門誌などでカリスマ的人気の若手血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。著書「Mの法則×血統ビーム 誰でも使える血統買いパターン」(オーパーツ・パブリッシング)他多数