12月8日に香港のシャティン競馬場で「香港国際競走」が行われる。日本国内で4レースが発売され、その売り上げは例年50億円前後と、ファンにとって楽しみな開催だ。ただ、昨年は日本馬が未勝利だけに、有力馬をしっかりチェックして、ひと儲けといきたい。
当日は国内でも阪神JFが行われる中、その前後に4つの海外馬券が発売される。注目はメインレースの香港カップ(第8R)だ。
夕刊紙「東京スポーツ」で「海外競馬解析」を執筆し、今年の凱旋門賞でも見事3連単(○◎△)を的中させている競馬ライターの秋山響氏が解説する。
「ここは、地元香港のロマンチックウォリアーが抜けた人気になりそうです。昨シーズン(23年9月〜24年7月。香港は9月から翌年7月までが1シーズン)は、10月にオーストラリアで制したコックスプレートから地元に戻って香港カップ、香港ゴールドC、クイーンエリザベスⅡ世C、そして6月の安田記念と、GⅠを5連勝。香港年度代表馬に輝いています。今シーズンは、11月のGⅡジョッキークラブCで始動。相手は楽でしたが、他馬より5ポンド(約2.3キロ)重い128ポンド(58キロ)の斤量を背負いながら4馬身4分の1差で完勝。史上初となる『香港カップ3連覇』に向けて、順調な滑り出しを見せました」
対する日本馬はどうか。
専門紙「競馬エイト」で海外競馬本紙予想を担当し、11月のブリーダーズCターフを3連単(◎○△)で見事的中させている増井辰之輔TMが話す。
「まず昨年の三冠牝馬リバティアイランドですが、前走の天皇賞・秋は、まさかの失速で13着に終わりました。結果的に休み明けとしては調整面で負荷が足りなかったのだと思います。ダメージもなく、この中間はトレセンに在厩して乗り込まれています。昨秋はジャパンCで2着しましたが、秋華賞で完勝したように体形、走法から2400メートルがベストとは思えないので、この舞台へ矛先を向けてきたのもうなずけます。ここは休み明け2走目の変わり身に期待したいですね」
もう1頭、日本馬で出走するのが、先日の天皇賞・秋(2着)で復活の兆しを見せたタスティエーラだ。増井TMは同レースでの変わり身を予想し、対抗評価を与えていた。
「以前よりもカイ食いが安定したことで、天皇賞・秋では体重が前走比18キロ増だったように馬体に実が入り、ハードなトレーニングを課せられるようになった。ただ、ダービー馬とはいえ、その内容からも距離に限界があり、こちらも2000メートルがベスト。輸送を心配する声もあるようですが、香港遠征を知り尽くしている陣営なので、うまくクリアできれば一発があるかもしれませんね」
どうやらロマンチックウォリアーVS日本馬という構図のようだ。