大手飲料メーカーのレッドブルグループが、サッカーJ3大宮アルディージャを買収し、世間を驚かせたのは今年8月だった。その時、何が起きていたのか。大宮アルディージャのフットボール本部長である原博実氏が、元日本代表の名良橋晃氏のYouTubeチャンネルで明らかにした。
実はレッドブルが大宮を買収するのかどうか、原氏は半信半疑だったという。
「去年の今頃、レッドブルの話題があって、NTT東日本から変わるんじゃないか、レッドブルがどこかを探している、という噂は常にあった。ただJ3に落ちちゃったし、(買収は)ないかなという思いもあった。J1クラブが自分たちからレッドブルグループに売り込んでいるという話も伝わってきていたんで、そうなったらやっぱJ1にいっちゃうんだろうな、と」
しかし、レッドブルグループは大宮の買収を進め、8月に発表。問題は発表のタイミングだったと、原氏は振り返る。
「選手たちにどこで伝えるか、気を使った。8月の頭に発表されたけど、ある程度いい成績できていたし、移籍のマーケットも終わる直前だったから、そこから大幅な選手の入れ替えはできないし、もう今年はやること一緒だよね、ともっていけた」
買収後、レッドブルはさっそくチーム名とクラブのエンブレムを変更すると発表。早くもレッドブルは動き出しており、多くのレッドブル関係者が大宮のクラブハウスや練習場を訪れていると、原氏は明かした。レッドブルの方針については、
「彼らはアカデミーに力を入れるって言ってる。トップチームじゃ遅いぐらいで、アカデミーに力を入れると。最初に見せられたビデオはレッドブル・ブラガンチーノ(ブラジル)で、すごい施設を作っていて、サッカー場が何面もあって、室内施設もプールもあって、投資している」
早くもレッドブルは、大きな影響を与えているようだ。来年からはJ2で戦う大宮アルディージャ。トップチームに上り詰めるのは、そう遠い日ではないかもしれない。
(鈴木誠)