立憲民主党は10月27日投開票の衆院選で50議席増という大勝利を収めたにもかかわらず、その後の存在感は国民民主党に比べると低い。「103万円の壁」や、はたまた元グラビアアイドルとの不倫などで、国民民主党・玉木雄一郎代表の名前がメディアに登場しない日はないほどだが、同じ香川県立高松高校⇒東京大学で、玉木氏とは隣の選挙区である立憲民主党の小川淳也幹事長(大学2期上の玉木氏が衆院香川2区で、小川氏が香川1区)は目立たない。
なにかと比較される2人だが、小川氏は記者会見でそのことを聞かれると、
「全く自信は揺るぎないもので微動だにしていません。今の国民民主党さんのプレゼンスの高さに心から敬意を表しつつ、しかし、私ども(立憲民主党)の存在意義は一時的に話題をさらったり、一時的に注目を浴びる段階、レイヤーとは全く別次元。煽られる気もなければ焦る気もない」
そう断言して自信を示したのだった。本心で語っているのかもしれないが、メディアの注目度の違いは歴然だ。
その小川氏の発言がニュースになった。11月27日夜にBSフジの番組に出演した際、内閣不信任案提出に言及したのだ。自民党と公明党の連立政権が衆院の過半数(233議席)割れになったことで、野党が結束して内閣不信任案を提出すれば、可決するかもしれない。これまでは儀式的な意味合いが強かったが、これまでとは重みが異なる。
ところが小川氏が言及したのは、来年の通常国会での不信任案提出だった。
「当然、視野に入ってくる。夏に参院選を控え、政権を信任するのかしないのか、はっきりしようという原動力が働く可能性は高い」
小川氏のこの発言を批判するのは、日本維新の会の議員だ。
「小川発言だけを聞いていると、来年夏までは不信任案は提出しない、となる。11月28日に召集された臨時国会から勝負をかける、ぐらいの気概を持ってほしかったが、支持率が下がっている石破茂政権が来夏まで続いてほしい、という本音が見え隠れする」
下半身はだらしないものの、与党との協議に変な妥協は許されないと緊張感を持って臨んでいる玉木氏と、来夏を見据えている小川氏との緊迫感の違いが、注目度の違いになって出ているようだ。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)