物語の世界には「龍」や「ペガサス」などの「空飛ぶ生き物」がしばしば登場するが、南アジアには実際に「パラダイストビヘビ(Chrysopelea paradisi)」という名の、「本当に空を飛ぶヘビ」が生息している。
パラダイストビヘビはタイやインドネシア、ブルネイ、インドなどの湿潤な森林に身を隠し、ヤモリなど樹上性のトカゲやカエルなどを捕食する。一見すると普通のヘビと変わらないのだが、時折、木の頂上などから滑降し、体をくねらせて空を飛んでいく。その距離なんと、最大100メートルにも及ぶというから驚くばかりだ。
高い場所から落下するヘビを目にすることはあるが、その姿は飛んでいるとは言い難い。ではなぜこのヘビだけが、100メートルもの長い距離を滑空できるのか。そのメカニズムは長年、謎とされていた。
そんな「空飛ぶヘビ」の解明に挑んだのが、米バージニア工科大学の科学者チームだ。彼らはパラダイストビヘビが空中にいる間の、体の動きに着目。通常、ヘビは地面を移動する際、体をくねらせるものだが、トビヘビは滑空中にも同様の動きを見せた。
この動きにより滑空を安定させ、さらに滑空する際に肋骨を広げて体を扁平にすることを突き止める。それが空気抵抗を強め、より長時間、空中にいられるメカニズムだと結論づけたのである。
この研究結果について、UMA研究家の見解はというと、
「実はアラビア海に面した地域にも『空飛ぶヘビ』の異名を持つ『アラバール』というUMAが存在します。シーサーペントならぬスカイサーペントとして、目撃されているのです。巨大なもので、体長数十メートル。胴体だけのものと、小さな手足が付いたものがあるタイプが存在するといわますが、もしかすると、このパラダイストビヘビの先祖がアラバールである可能性も。UMA研究家の間で論議になっています」
問題の論文は、2020年6月29日付の物理専門誌「Nature Physics」に掲載されている。
(ジョン・ドゥ)