オフシーズンに入ったプロ野球では、選手たちが束の間のオフを楽しんでいる。この時期はファンサービスの一環として、各チームで「トークショー」が開催され、選手とファンがグラウンド外での交流を深めている。
球団左腕では初となるセ・リーグ最優秀中継ぎ投手賞を受賞した阪神の桐敷拓馬も、そんなトークショーを開催したひとりだ。ところが、これがなんとも寂しいもので…。
桐敷のトークショーは12月1日、大阪ガーデンパレスホテルで開催されたが、告知されたのは当日の開演3時間前になってから。チケット代はA席1万円、B席7000円と決して安いわけではなく、新大阪駅から徒歩10分という立地。いったいどうしてこんなことになってしまったのか。
トークショーの公式Xアカウントは、
〈本日開催されました桐敷拓馬投手のトークショーの様子でございます〉
として、会場の写真をアップ。
〈桐敷拓馬投手のトークは大変盛り上がり、楽しそうにお話しされる姿がとても印象的でした。その温かい雰囲気に包まれながら、参加された皆さまにも素晴らしいひとときをお楽しみいただけたことと存じます〉
そう綴られているのだが、写真に写っているファンはほんのわずか。数えるほどだった、とも…。
〈ご来場いただけなかった皆さまに向けまして、桐敷拓馬投手よりお写真を頂戴しております〉
そう続けると、桐敷が頭を下げ謝罪しているかのような写真をアップしたのだった。
桐敷は今季、70試合に登板して防御率1.79 、3勝1敗40ホールドの成績で、飛躍の1年となった。どうやらイベント自体が急きょ決まったようで、ここでも桐敷は「緊急登板」。事前に告知されていたら、参加するファンの数はケタ違いだったことだろう。
他の選手のトークイベントは前もって告知され、きちんとチケットの事前販売が行われている。ガラガラの会場で懸命にトークを展開した桐敷の人の良さだけが、救いだったのではないだろうか。
(ケン高田)