人間のみならず、猫にも「責任感」なるものが存在するのか。
そのFacebookにあったのは、生後間もないと思われる3匹の小さな赤ちゃん猫のそばで、心配そうに見つめながらも、かいがいしく面倒を見る1匹の黒猫の映像だった。この3匹の世話を焼く猫がなんと、わずか生後6週間のオスの子猫だったのである。
これは米ミズーリ州カンザスシティの動物救助団体「KCペットプロジェクト」がかつて、Facebookにアップした〈世界で最も責任感の強い子猫〉と題する投稿。
猫の社会ではたとえ小さな子猫でも、自分より小さな赤ちゃん猫の面倒を見ることは、不思議ではないようだ。発見者によれば、4匹は数日間、野外に放置されたままで、母猫が戻るをの待っていたのだが、いっこうに現れる様子がないため、「KCペットプロジェクト」に連絡したのだという。
同団体によれば、黒い子猫以外の3匹は、生後2週間ほど。4匹が兄弟関係にあるかどうかは不明だった。おそらくは近所にいた子猫が、赤ちゃん猫を発見して放っておくことができず、面倒を見るようになったのでないか、と推察された。
とはいえ、幼い子猫は母猫からミルクをもらうか、人間が哺乳瓶でミルクを与えなければ生きられない。世話をしていた黒猫はオスであり、当然ながらミルクをやることはできないが、それでもチビちゃんたちを見捨てることはできず、自分ができることはしてやりたいとの一心で、かいがいしく世話をしたのである。まさに〈世界で最も責任感の強い子猫〉と言っていい。
黒猫はその後、ビンクス(Binx)と名付けられた。赤ちゃん猫たち(全てオス)もそれぞれオリー、フランキー、ジギーと名付けられた後、4匹全員が里親の家に預けられ、すくすく育ったそうだ。
3匹の赤ちゃん猫の命を救ったビンクスは、今も元気に暮らしているという。
(灯倫太郎)