西に目を移せば、あのオルフェーヴルの主戦だった池添謙一(35)に「審議」のランプが点滅する。昨年の勝率は1割に満たず、勝ち鞍も45(全国リーディング27位)。これでは競馬ファン以上に本人が不満なのではないか。一流とは言えない父の池添兼雄厩舎で9勝とダントツの勝ち鞍をあげているのは実力がある証拠と言える。しかし一流の厩舎から有力馬騎乗を依頼され、結果を出せないことが多々あるのもまた事実なのだ。1月18日の日経新春杯(GII)がいい例である。
13年の菊花賞2着馬で池江厩舎の1番人気、サトノノブレスに騎乗した池添は中団をキープし、坂の下りで動いていったが末脚不発に終わり、11着と大敗してしまった。
「スイープトウショウやオルフェーヴルでわかるように、池添は差し、追い込み馬に乗せると味があるのですが、この頃は結果を出せないことが多くなってきた。昨年12月21日の朝日杯フューチュリティステークス(GI)のアッシュゴールド(オルフェーヴルの全弟)は、ドン尻から競馬して8着。その極端なトンデモ騎乗に、(所有する)馬主クラブの会員から苦情や批判の声が出たといいます」(スポーツ紙・レース部デスク)
GI20勝の実績を持つ池添は、この春のクラシックシーズンで真価を問われることになる。
最後にあげるのは、ベテランの四位洋文(42)だ。昆厩舎とは相性がよく、一昨年は14勝、昨年は9勝とダントツの勝ち鞍。この厩舎の馬に乗ってきた時は勝負気配濃厚と見ていい‥‥その一方で、馬券での勝負をためらわざるをえないシーンを多々目撃することも。
四位といえば12年12月22日、阪神新馬戦の直線で、2着入選確実だったブリュネットを追うのをやめて3着にしてしまったことで有名。油断騎乗として騎乗停止30日間のペナルティを科されたが、以降、イメージダウンが著しい。しっかりしたエージェントがついているため乗り馬には不自由せず、見込みのある実力馬には乗っている。だが、それで結果を出しているかといえば、連続して1番人気を裏切ることもあるのだ。
昨年12月28日、阪神11レースのカウントダウンステークスと12レースの2014ファイナルステークスは、ともに四位騎乗のダノンフェニックスとキョウワダッフィーが1番人気に推されていた。が、それぞれ7着、4着に沈む。
「競馬場にいるファンからは『手堅く当てていい正月を迎えようと思っていたのに‥‥。もう四位の乗る人気馬は怖くて買えないな』という声が聞こえてきました」(兜氏)
さまざまなレース条件によって人気馬と騎手の実力を分析、吟味して馬券を検討することが必要なのだ。