12月6日から8日の「国内映画ランキング」(興行通信社調べ)が発表され、米倉涼子が主演のテレビ朝日の人気ドラマシリーズ劇場版「劇場版ドクターX」が、初日から3日間で動員44万1000人、興収6億400万円で2位にランクインした。
同作はシリーズの集大成と位置付けられ、田中圭、内田有紀、今田美桜、岸部一徳らレギュラーメンバーに加え、染谷将太、なにわ男子の西畑大吾、綾野剛らが参加している。放送担当記者が言う。
「公開イベントに出席していたにもかかわらず、シリーズの主要キャラを演じていた西田敏行さんが10月に死去。その遺作ということが大いに話題になりました。これでシリーズ終了とされているのですが、これだけ映画が当たったら、まだまだ続編がイケそう」
公開前、米倉はテレビ朝日の番組に出演して積極的に番宣を行い、米倉が出演していない番組には内田や今田が稼働して、十二分にPR活動を行うことができた。
さらに若い女性の支持を受けている西畑を、いきなり大抜擢。演技派の染谷と綾野も投入して「失敗しない」ための万全の状態を整えての公開となった。
「今作で反面教師にしたのが、2021年に公開された、沢口靖子主演の人気ドラマシリーズ劇場版『科捜研の女-劇場版-』だったそうです。同作の興収は5.4億円ほどだったので、公開3日で『ドクターX』の劇場版が上回ることになりました」(映画業界関係者)
その裏には「ドクターX」劇場版チームの非情な決断があったというのだ。映画業界関係者が続けて明かすには、
「『相棒』も『科捜研』も大手映画配給・製作会社の東映とガッチリタッグを組んでいました。しかし東映だと、劇場の公開館数があまり期待できないことから『ドクターX』は東宝とタッグを組んだ。東宝としても、集客を期待できる作品は大歓迎。結果、ロケットスタートを切ることができたのです」
「ドクターX」の劇場版の成功は今後のテレ朝と東映の関係に、少なからず影響を与えそうだ。
(高木光一)