国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)は12月18日、自身のXで「年収103万の壁」の引き上げをめぐる自民、公明、国民民主3党の税調幹部の協議が「打ち切り」となったことについて、与党側が日本維新の会の取り込みを狙っている、との見方を示した。
〈もともと、財務省の戦略は、維新の新体制が発足次第、関係部局が接触、当初予算の修正等で盛り込める政策を探る。国民民主、維新、立民で予算に対する影響が最も「安上がり」の政党と握るということだったようなので、最近の維新幹部の発言を聞いていると、維新と握る算段がついたということなのでしょうか〉
つまり、自民党は国民民主党から日本維新の会に乗り換えた、ということのようだ。事実、日本維新の会の岩谷良平幹事長は12月17日収録のBSテレ東番組で、令和7年度予算案への対応について、維新が求める教育無償化や社会保障改革が予算案に反映されれば賛成するか問われると「それはある」と答えた。
自民党内からも岩谷氏について、
「維新の会の創設者である橋下徹氏が批判する『飲み食い政治』の代表格のような人物で、御しやすい」(国対筋)
との声がある。
来年4月からの大阪・関西万博の成功に向けて政府の協力が不可欠な維新が、与党寄りになるのではないか、との観測は、立憲民主党や国民民主党には根強くある。玉木氏の投稿はそうした見方を反映したものだ。
「政権交代を担える大きな塊を作らなければならない」
というのが持論の維新共同代表・前原誠司氏がどのように舵取りをしていくか、見ものである。
(奈良原徹/政治ジャーナリスト)