2024年に他界した有名人を追悼するスペシャル番組「星になったスターたち」(12月17日、フジテレビ系)で、MCの上沼恵美子が振り返ったのは、同じくMCの香取慎吾がかつて出演した「SMAP×SMAP」だった。追悼番組なのになぜ…と思うが、まず2人はアニメ「ちびまる子ちゃん」で初回放送から34年間も「まる子」の声優を担当したTARAKOを偲んだ。ここで上垣皓太朗アナからは、2人もまた長寿番組を背負ってきた、との振りが。そして出たのが2016年12月に20年9カ月で幕を閉じた「SMAP×SMAP」だったのである。
すると2人はこんなやり取りを展開する。
上沼「香取さんがすごい…。最終回、見ました、こないだ。ヒット曲を歌って最後、どん帳みたいなのが下りるセットにしてて、あれよかったわぁ。感動しました」
香取「あの後、僕はひとり、もう一回、あのステージに戻ったんです。もう一回戻ってステージに手をついて『一回、ステージ降ります』って言って降りた」
そしてSMAP解散後、ソロで歌い始めた際には「戻ってきました」と、ステージの床に手をついて復活を報告したのだと。
上沼が8年も前の最終回を最近になって見たというのは、どういうことなのか。 今回の香取との共演にあたって、慌てて見たと勘繰られても仕方ないが、いずれにしても多くのSMAPファンがいまだ見返せないと言われるのが「SMAP×SMAP」の最終回だ。5人が最大のヒット曲「世界に一つだけの花」を歌い終えると、1分以上にわたって全員で頭を下げた。幕が下りたあとで再び5人の姿が映し出され、中居正広がひとり後ろを向いて涙をぬぐう姿が見られたのだ。ベテランの番組制作スタッフが言う。
「解散前だったか、たまたま知り合ったフジテレビの関係者から話を聞いたことがありますが、やはり中居、香取、稲垣吾郎、草彅剛の4人と木村拓哉との仲は相当に悪かったようですね。スタッフが間に入ってそれぞれの意見を伝達しなければならない状況だったと…。それだけ修復不可能な亀裂があったということなのでしょう」
ファンが熱望する再結成。これまで何度も言われてきたが、はたして現実的なものなのか。
「木村と他の4人には、当時抱いていた『わだかまり』はもうないと思いますね。あれから8年も経てば、憎しみや怒りの感情は消えていきます。ただ、香取が『星になったスターたち』で、グループ解散から今までのことを語っているのは、自分の中で消化してSMAPというものが『思い出』になっているからにほかなりません。未練が残っていたら、過去など振り返れませんからね」(前出・番組制作スタッフ)
それだけソロ活動が充実しており、今さら5人で集まるメリットを感じていない、という証なのだろう。SMAPもまた、永遠の星になったのかもしれない。
(藤堂きよみ)