プロ野球界の問題を指す、なんともありがたくないワードが流行っている。それが「有原式FA」だ。
これは2020年オフに日本ハムからメジャリーグに移籍するも、たった2年で日本球界に出戻り、高待遇でソフトバンク入りした有原航平を皮肉ったもの。なにしろ今オフ、それと全く同じことが起きたのだ。
昨オフに日本ハムからメジャーリーグ入りを目指した上沢直之は、メジャーでの投球がわずか2試合で、結局は3AからFAとなった。アメリカでの飛躍に限界を感じて1年で日本球界に戻ることにしたのだが、古巣のオファーを蹴って、4年10億円の好待遇を提示したソフトバンクに移籍することになったのである。これが「有原式」とは、まさしく言い得て妙というか…。
以前と比較して、メジャーリーグへの挑戦は確実にやりやすくなった。年俸などの条件面が破格で、「短期間に稼げる」のはプロ野球選手として魅力的なのだろう。これに、
「来オフも『有原式FA』の候補者が出そうだと、球界内ではもっぱらですね」
と言うのは、球界関係者である。メジャー球団スカウト関係者があとを引き取る。
「挙げられるのは、ポスティングでメジャー移籍を狙う阪神・青柳晃洋と中日・小笠原慎之介。2人は過去に2ケタ勝利をマークしたことはあるにせよ、圧倒的な成績を残しての挑戦ではないのが共通点。チームの優勝に大きく貢献できていないのはマイナス点でしょう」
では仮に「有原式FA」となれば、どこが引き取り先となるのか。
「2人とも神奈川県出身ですから、DeNAへの移籍願望があるとされています。横浜スタジアムは高校時代に慣れ親しんだ球場でもありますしね」(前出・球界関係者)
はたして来オフ、彼らはどうなっているのか。