こんにちは、高木真備です!
もうすぐクリスマス、皆さんご予定はありますか。私は仕事でびっしり…今年もあと少しで駆け抜けます。
さて、前回は預かりボランティアとは何か、団体さんにとってなぜ必要なのかを書きました。その続きとして今回は、実際にボランティアをされている方々をご紹介したいと思います。
【ケース①】60代女性
優しい笑顔でお話ししてくださったので、イメージしながら読んでみてください。
この方はそれまで飼っていた猫が、少し前に亡くなってしまったそうです。とても可愛がっていて、大往生だったと話してくださいました。
少し落ち着いて、再び猫を飼うことを考えたそうですが、年齢的に自分の体調がどうなるかわからない、万が一があると飼っている子を路頭に迷わせてしまう。そう悩んでいたとのこと。そこで女性が選択したのが「預かりボランティアとして猫と一緒に生活すること」だったのです。
「今まで飼ってきた経験を生かして、里親募集中の猫のためになるなら、とてもやりがいがあります」
優しくそう語ってくださいました。
私は人と動物には限りない可能性があると思っていて、それを広げていきたいと願って保護猫活動を始めました。猫はもちろん、猫好きな方にもお互い楽しい毎日を送ってほしいな、と。
でも保護件数に関するデータを見て、高齢になった方がご自身の体調が悪くなって致し方なく手放すパターンがとても多いことを知りました。嫌いになったわけでなく「致し方なく」というところがまた辛いですよね。
手放すことになった場合は飼い主さんだけでなく、猫たちも辛く不安な思いをして、路頭に迷うことになります。それだけは絶対に避けなければいけないと、実際の保護現場に立ち会って強く感じました。
では「高齢になった方は絶対に動物と生活できないのか、してはいけないのか…」。これはとても難しい問題だと感じています。高齢の方でも大切に最後まで、愛情を持って飼ってらっしゃる方がいるから。
実際に高齢者の飼育放棄で保護される猫を見て、これは絶対になくすべきだと強く思う反面、
「この子との日々が生き甲斐」
と話すお婆さんに甘える猫を見て、どちらも幸せなんだなとほっこりする場面もあったりして。絶対に「飼わないでください」とは言えない、複雑というのが正直な気持ちです。
この問題について何かいい方法はないのか…と私は考えていました。
そんな中で、預かりボランティアをされている60代女性のお話を聞くことができて、これは素敵な選択肢だな、と。飼うことができない方も、ボランティアなら猫と過ごすことができる。そして猫を助けるお手伝いにもなる。とっても素敵なことだと思いました。
まだボランティアを知らない方は多いと思いますが、ひとつの選択肢として少しずつ広がっていけたら嬉しいですね。
今回は高齢の方が預かりボランティアを通して大好きな猫と過ごしながら、やりがいを感じている素敵なお話でした。
次回もまた、実際に聞いたエピソードをご紹介したいと思います。ぜひご覧いただき、「預かりボランティア」をまだご存知ない方にお話しして頂けたら嬉しいです♪
(高木真備)
たかぎ・まきび/1994年8月17日生まれ。2014年に競輪選手としてデビューし、2021年ガールズグランプリで優勝して年間女王になる。2022年に競輪選手を引退し、その後は犬猫の保護活動に携わっている。