1920年開催の第1回から数えて「箱根駅伝」が101回目を迎える。出雲大学駅伝、全日本に続き3冠を目指す國學院、2連覇を狙う青学、前回2位の駒大の「3強」争いが有力だが、これを猛追する新興校の秘密兵器が牙を剥く!
年明け1月2日、3日にかけて行われる「第101回東京箱根間往復大学駅伝競走」、通称・箱根駅伝は今回も熱い戦いが繰り広げられそうだ。ツワモノぞろいの出場全20大学の中でも、今回、特に優勝を争うと言われているのが3つの強豪校だ。みずからも東京農業大学時代に選手として箱根駅伝への出場経験を持つ、スポーツライター・酒井政人氏が激戦を展望する。
「いわゆる3強と呼ばれているのが、昨年総合優勝の青山学院大学、そして一昨年の優勝大学である駒澤大学、それに今年の出雲駅伝、全日本を制して〝3冠〟を狙う國學院大学です。ただ、個人的にはその中でも、青山学院大が強いと思っています。レース展開によっては、抜け出してそのまま逃げ切り‥‥という可能性もあるかもしれません」
青学と言えば、ワイドショーなどのコメンテーターとしても活躍する名将・原晋監督(57)が率いる強豪として知られ、箱根駅伝でも通算7回の総合優勝を誇っている。また昨年、それぞれ区間賞に輝いた太田蒼生(4年)、黒田朝日(3年)ら優勝メンバーも健在だ。ベテランスポーツライター・折山淑美氏も青学の強さに太鼓判を押す。
「エースがしっかりしており、全体的に層が厚い上に、〝山(難所であり名物である箱根登り)〟の経験者も2人いる。はっきり言ってチーム全体にこれといった穴がない。ミスさえしなければ、優勝の最右翼であることは間違いないでしょう」
12月10日に行われた、各チームのトークバトルでも、原監督自身が「攻めのレース」で総合優勝を狙うと自信を見せているように、最有力候補であることは衆目が一致するところだ。
もちろん、3強と言われるだけあって他の2チームも十二分に優勝を狙える位置にいる。その一角、駒大は、直近4年間は、青学とたすき掛けのように、交互に総合優勝を果たす実力校だ。
「何といってもケガから復帰した佐藤圭汰(3年)がどの程度まで復調しているのか? そこが大きなポイントとなってくる。例えば、3区をばっちりと走りきれるくらいに戻っていれば、大きな戦力になるでしょう」(折山氏)
同じく酒井氏も、「佐藤選手の復調がカギを握る」とキーマンに指名する。
5000メートルの室内日本記録を持つ日本長距離界のホープ・佐藤だけに、その動向に常に注目が集まるが、今回の箱根でも勝負の行方を左右する存在となりそうだ。