日本テレビスポーツ局が運営するYouTubeチャンネル〈日テレスポーツ【公式】〉に、青山学院大学陸上競技部の原晋監督が登場すると、今年の箱根駅伝を振り返った。いわく、
「勝てないよ、普通は。相手が自滅してくれたらね、インフルエンザとかコロナで体調不良になったらチャンスは出てくるかもわからないけども、我々が自滅しましたからね。それでスタートラインに立って、これだけの結果になるんだから、画一的な指導、練習スタイルってないんだなって、あらためて感じましたね」
「我々が自滅した」というのは、昨年12月初旬に一部の主力メンバーがインフルエンザに感染したことを指す。このピンチを「早めに疲れが取れてよかったね」と選手にポジティブな言葉をかけて乗り切った原監督。その結果、優勝間違いなしとの前評判だった駒澤大学を逆転して、2年ぶり7回目の総合優勝を大会記録で達成したのだった。
動画の中で原監督が分析したのは、自分とさほど力量に差のない補欠選手の前で恥ずかしい走りは見せられない、というプライドが出たのではないか、というもの。そして層の厚さだ。原監督は言う。
「前へ、前へ。タイムよりも順番、それが陸上競技の原点なので、そこを求めています」
オーバーワークからいち早く抜け出していたことも、劇的勝利の一因とされ、
「慢性的な疲労によって、アスリートが本来持っているパフォーマンスを発揮できなくなる、オーバートレーニング症候群があります。生真面目で一生懸命な人ほど陥りやすいといわれており、元日本代表のサッカー選手を例に挙げれば、大久保嘉人、内田篤人、澤穂希も苦しんだと言われています」(スポーツライター)
スポーツ界における休養の効用が、再び見直されるかもしれない。
(所ひで/ユーチューブライター)