GⅠシーズンの中休み、今週の中央競馬は東西で伝統のGⅡハンデ戦と、GⅢダート戦が日曜日のメインレースとして行われる。
先週の「天皇賞・秋」ではドウデュースをバッサリ外し、ホウオウビスケッツの複勝でなんとかマイナス収支だけは逃れた関東在住の馬券師T氏だが、11月3日に行われる京都ダート1800メートルのGⅢ「みやこステークス」についてはこう話す。
「5年連続で馬券になっているのが、同距離のオープン特別『太秦ステークス』から来た馬です。今年は太秦Sが『大阪スポーツ杯』と名称変更になっている。これをお間違えなく。デリカダ、トウセツ、ロードアヴニールの3頭が今回は挑んでいますが、どれかが馬券になると考えるのが、最も簡単な馬券構築法でしょう。しかしトウセツは前走で負けすぎ(10着)、デリカダは過去10年で1頭も馬券になっていない牝馬。となると、人気予想では4番人気のロードアヴニールが本命となります。雨の降ったダートが得意とあれば、あれこれ考えず、これでいいでしょう」
みやこSは9月以降にひと叩きした馬しか連対しないという、ダートレースならではの傾向が強い。T氏いわく、8月以前にしか走っていない馬はバッサリ切り、ロードアヴニールの相手を探してほしいとのことだ。
みやこSはあっさり気味のT氏だったが、お目当てのレースが東京競馬場の芝2500メートルで行われるGⅡ「アルゼンチン共和国杯」ならば、致し方なしだ。
昨年は3着同着で3連単が3650円、5600円とT氏好みの荒れるレースとはほど遠い結果となっているが…。T氏が回想する。
「理由はわかりませんが、近年のアルゼンチン共和国杯は、隔年で荒れている。ならば今年は荒れる番。それを信じて馬券を買うのが馬券師です。荒れた年の特徴として、オープン特別、もしくは3勝クラスからの臨戦馬が馬券になっているということ」
今年の出走馬は16頭。うち半数の8頭が、オープン特別と3勝クラスからの臨戦となる。しかし、ここからどう絞るべきなのだろうか。T氏が言う。
「何でもかんでもは買えない。距離が近い札幌の2600メートルで惨敗している馬は、そもそも力が足りない。となると、一気に絞れます。ショウナンバシット、タイセイフェリーク、ハヤヤッコ、マイネルメモリーの4頭ですね。4年前に穴をあけたラストドラフトは、距離の短いケフェウスステークス(2000メートル)の8着から、ここで巻き返した。このパターンの馬が今回、1頭います。マイネルメモリーです。明らかに距離を延ばしていいタイプで、今回はシュタルケ騎手が乗る。買いの一点でしょう」
T氏いわく、絞った4頭の中でショウナバシットは東京コースの実績が乏しいこと、ハヤヤッコは距離と年齢(8歳)に疑問符が付くという。もう1頭、3勝クラスでの惜敗で人気のまったくないタイセイフェリークは人気を落としているが「買い」ということだ。
「マイネルメモリーの相手をどうするか。人気薄なら同じ父親(ゴールドシップ)のメイショウブレゲや、同じくステイゴールドの孫(父オルフェーヴル)のミクソロジーは押さえたい。人気馬ではこのレースで強い4歳馬からサヴォーナ、連続連対するレース傾向から、8歳ですがマイネルウィルトスを押さえれば万全ではないでしょうか」(T氏)
馬券師が推奨するのは、人気薄のマイネルを軸にした3連単だ。ちゃっかり儲けて、来週以降のGⅠウィーク後半戦に突入したい。
(宮村仁)