「ウチの〇〇ちゃんはペットなんかじゃないの。大切な家族、失礼しちゃうわね!」
よく飼い主のそんな言葉を耳にする。たしかにペットと一緒に墓に入る人が急増するご時世。彼らこそがかけがえのない大切な家族だとする人は多い。ただそうなると、生活を大きく左右することになるのが、飼い主の経済状況だ。
というのも、日々の食事もさることながら、例えば病気になった際には、動物は保険がきかないため、治療ひとつとっても経済状況で差が生まれてしまう。
そうした意味では、幸せかどうかは別として、ある程度の資産を持つ飼い主と暮らすペットの方が、生活環境としては豊かであることは間違いないだろう。
2024年4月、アメリカの「フォーブス」誌が毎年発表している、資産10億ドル(約1570億円)以上の世界の富豪「世界長者番付」に、歌手のテイラー・スウィフトがランクインした。全米No.1の歌姫が昨年11月の米大統領選挙ではハリス氏を応援して一躍、時の人となったことが記憶に新しい。
彼女の飼い猫への溺愛ぶりはよく知られるところだが、ともに暮らすのがオリビア・ベンソン、メレディス・グレイ、ベンジャミン・バトンという3匹だ。彼女のインスタグラムなどに頻繁に登場するが、とりわけメディアへの露出が多いのはオリビア(スコティッシュ・フォールド)だ。
テレビの人気シリーズ「LAW&ORDER 性犯罪特捜班」でマリシュカ・ハージティ演じる人気キャラクターから名付けられたオリビアは、テイラーとともにディレクTV、ダイエットコーラ、AT&TのCMのほか、「ME!」「ブランク・スペース」のミュージック・ビデオなどに出演。テイラー・ファンの間でも大人気だ。
そんなオリビアが、インスタグラムの分析に基づいて総資産価値を分析した「All About Cats」により、世界で3番目に裕福なペットとしてランクインしたのは、2023年1月のことだ。その価値は9700万ドル(約153億円)と推定された。
小さな耳と不機嫌そうな表情がコケティッシュなオリビアは、テイラーがプロデュースするオリジナルグッズとしても登場。彼女のファンばかりか、猫好きからも絶大な支持を受けている。
だが、いくらコケテッシュとはいえ、この資産価値はテイラーが飼い主であればこそ。となればこの資産はペット自身の努力というよりは、生まれ持った容姿と、飼い主の懸命なプロモーションの成果といえるわけだが、驚くなかれ、世界のセレブペットには上には上がいる。
第1位に輝いたガンサー6世という名のジャーマン・シェパードは、総資産価値なんと5億ドル(約788億円)。2位はインスタグラムで440万人超のフォロワーを持つ猫としてギネス登録されたナラ・キャットで、1億ドル(約157億円)の総資産価値があるのだと。
どちらにしても、庶民には想像できない額なのだが…。
(灯倫太郎)