日本が誇る佐官職人、消防士経験者はロサンゼルスへ急げ!
イギリス王室ヘンリー王子とメーガン夫人、パリス・ヒルトン、トム・ハンクス、メル・ギブソンらセレブの自宅を焼き尽くしたロサンゼルスの大規模火災で、意外な職業がクローズアップされている。
ロスの豪邸に暮らす富裕層は、プライベート消防士の囲い込みに必死なのだ。ロス市内の消火栓の防火用水が枯渇した状況下、自宅に広大なプールを持つ富裕層が時給2000ドル(31万円)で、大量の防火用水を携えるプライベート消防士を雇ったほか、耐火建築材を扱う業者に自宅やショッピングセンターの周りを耐火防壁で囲わせて延焼を免れた資産家、投資家がいる。
世界的に有名な高級住宅街マリブビーチ一帯も焼け落ちたが、唯一残った「奇跡の家」を、「ニューヨーク・ポスト」紙が詳しく報じている。
その家の所有者はテキサス州の廃棄物管理会社の元社長、デビッド・シュタイナー氏。仕事柄、防火意識が高かったのだろう。火災のほか地震と津波被害も想定し、900万ドル(14億円)をかけて作った石造りの3階建て自宅は、岩盤まで50フィート(15メートル)の杭を打ちつけ、屋根には耐火素材を使っている。シュタイナー邸の写真を見ると、海を見下ろす窓には、津波にも耐えられる分厚いガラスがはめ込まれているのがわかる。
外壁は外国人の邸宅としては珍しい、漆喰仕様。漆喰は古代エジプト、メソポタミアが発祥の、耐久性、断熱性、防火性に優れた素材だ。日本のほか、地中海やエーゲ海沿岸の邸宅にも使われている。
2016年、新潟県糸魚川市の大火事では耐火性レンガ造りの家だけが焼け残った。童話「3匹のこぶた」はただのお伽話ではなく、先人の知恵が詰まった民間伝承であることを思い知る。
そこで3年後のロス五輪を前に復興バブルで注目されるのが、マリブビーチの「奇跡の家」を守った漆喰技術を持つ、日本の佐官職人だ。佐官職人は日本国内でも5万人しかおらず、その過半数が65歳以上の高齢者といわれる。ロスでも仕事ができる根性と体力、語学力のある若い佐官職人ならば、「時給2000ドル」で雇われるアメリカンドリームを掴み取ることも可能だ。
と同時に日本の防火素材、耐熱素材の価値が高まることだろう。東日本大震災を知る岩手県出身の大谷翔平や佐々木朗希が今年、新たに契約する日系企業スポンサーは、防火性能で知られる旭化成の「ヘーベルハウス」か、吉野石膏の「タイガーボード」ではないかと予想してみる。新しい家族ができる大谷夫妻がヘーベルハウスやタイガーボードの家に住めば、とてつもない経済効果、広告効果を生むだろうが…。
(那須優子)