アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で1月6日に発生した山火事は、1週間以上が経過した今もなお、燃え広がり続けている。
カリフォルニア州のニューサム知事によれば、13日までに明らかになった死者の数は24人。気象当局の観測では、延焼地域拡大の要因となった強風は週末にいくぶん弱まったものの、オレンジ郡サンタアナでは再び強風が吹くと予想されることから、さらなる延焼が懸念されている。
ロサンゼルス郡では12日までに、10万人以上に避難命令が発令された。さらに8万7000人に避難勧告が出ているが、現場付近では略奪行為が横行。これまでに27人が逮捕されている。そんな中で案の定、飛び出しているのが、山火事をめぐる陰謀論だった。外信部記者が言う。
「自然災害が起こると必ず、この災害は誰誰によって引き起こされたものだ、といった陰謀論をブチ上げる人物が出てくるのですが、今回もSNSを通じて持論を展開しているのが、ニュースサイトの司会者などを務める有名な陰謀論者、アレックス・ジョーンズ氏です。彼はトランプ次期大統領の支持者で、4年前に東部コネティカット州で発生した銃乱射事件を『作り話』と主張したことで知られる人物。今回の山火事は『経済戦争と脱工業化をたくらむグローバリストの一部勢力』に仕組まれたものだとXに投稿。これに対し、実業家イーロン・マスク氏が返信欄で『真実だ』と同調しました」
陰謀論の中にはイルミナティとアメリカ政府が仕組んだとする謀略説や、指向性エネルギー兵器による実験説、さらにはUFOによるレーザービーム攻撃説などが噴出しているというから、驚くばかりだ。UFO研究家が解説する。
「UFO攻撃説の発端となったのは、火事の様子をヘリコプターから空撮した映像の中に奇妙な物体が映り込んでいたことでした。カメラフレーム上部を高速で横切る小さな白い点が確認されており、それがUFO愛好家によりSNS上で拡散された。カメラが捉えたのはほんの一瞬であり、形状もぼやけているため、飛行機かドローンの可能性もあります。ただ、レーザービーム攻撃はないにしろ、地震や災害発生時にUFOが現れるのは不思議なことではない。偵察であるのか、などの理由はわかりませんが」
ちなみに、先に挙げた陰謀論者ジョーンズ氏は、人為的に気象を操作することで敵対国家や地域に損害を与えることを目的とした「気象兵器説」の信者でもあるため、関係者からは「次は気象兵器説による攻撃だと言い出すのでは」との声もあるという。
(ジョン・ドゥ)