今週から東西とも舞台が替わり、東は東京、西は京都と、先週開幕した小倉を合わせた3場開催となる。
東京のメインは根岸S。今年最初のGⅠフェブラリーS(2月23日)のトライアルレースで、1着馬に優先出走権が与えられる。ほぼ毎年フルゲート(16頭)で争われており、それだけでダート競馬の充実ぶりがうかがえるが、今年も20頭以上が登録する予定。むろんのこと、顔ぶれもいい。
まずは、過去のデータを見てみよう。
馬単が導入されてから23年目を迎えるが、その馬単での万馬券は6回(馬連は5回)。この間、1番人気馬は7勝(2着6回)、2番人気馬は3勝(2着2回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は2回のみ。11番人気→5番人気→13番人気で決まった昨年のような超大波乱(3連単で153万円)は少ないものの、簡単には収まらないことだけは確かだ。
年齢的には充実著しい5歳馬が8勝(2着11回)を挙げており、他の世代と比べて連対実績では群を抜いている。続く6歳馬が7勝(2着5回)、生きのいい明け4歳馬は4勝(2着3回)。古馬が優勢であることは明らかで、このあたりはきっちり頭に入れておくべきだろう。
こうしたデータを踏まえた上で最も期待を寄せてみたいのは、5歳馬のペリエールだ。
昨秋の武蔵野Sでは僅差3着と力量の確かさを見せつけたものの、展開に左右されるところがあり、前走のすばるSでは11着と人気を裏切っている。この時は出遅れが致命傷となったわけだが、これで人気が落ちるようなら穴党としてはありがたいかぎり。
2カ月ぶりの実戦で、落ち着きを欠いていたことが出負けにつながったとみているが、この中間は落ち着きを取り戻しており、稽古の動きも上々。状態のよさは明らかで気配のよさも目立っている。であれば、改めて注目すべきだろう。
2、3着が多く、勝ち味に遅いところもあるが、とにかく末脚は確か。3歳時にユニコーンSを完勝しているように、直線の長い東京コースは〈3 1 3 1〉と持ってこいである。
実績からマイル戦がベストとみる向きもあるが、父がヘニーヒューズで母の父はフジキセキ。1400メートル戦は前述したすばるSを含めて2回しか経験はないものの、今回と同じ舞台のオキザリス賞(1勝クラス)を楽勝している。血統から見ると7ハロン戦の方がかえってよさそうに思えるのだ。
曾祖母はスキーパラダイス(ムーランドロンシャン賞)で、その母スキーゴーグルもGⅠ勝ち馬(英コーンS)。キャプテントゥーレ(皐月賞)など近親、一族に活躍馬がズラリといる良血だけに、チャンスは十分ある。良馬場条件に大きく狙ってみたい。
穴として挙げたいのは、6歳馬のバトルクライだ。
この馬も〈3 0 3 2〉という東京巧者。前走のすばるSは5着に敗れたものの、ここを目標に短期放牧を挟んでしっかりと乗り込まれており、状態のよさが目立っている。
この馬にとって7ハロン戦はベスト距離で、一昨年の根岸Sでも勝ったレモンポップ(フェブラリーSなどGⅠ6勝)にコンマ2秒差の3着に好走しているように実績も十分ある。
カツトップエース(皐月賞、ダービー)など近親、一族に活躍馬が多くいる血筋だけに、一発があっても不思議はない。
京都のシルクロードSは、ひ弱さが解消され、充実一途のレッドアヴァンティに期待する。
今回は昇級初戦で相手は一気に強くなるが、ハンデは恐らく55キロまで。強烈な末脚を武器に勝ち負けになっていい。