早いもので正月開催は今週で幕。中山ではAJCCが行われる。
4月初週に行われる大阪杯の前哨戦と捉える向きもあるが、天皇賞・春のそれとみることもできるため、春の古馬GⅠ戦に向けての一里塚的なレースと言っていいだろう。
いずれにせよ、競馬番組が整備されたことで重要性を増したことは間違いない。今年の顔ぶれを見てもわかるとおり、簡単に見過ごすわけにはいかない重賞であることは確かだ。
まずはデータをひもといてみよう。
02年に馬単が導入されて以降、これまでの22年間、その馬単での万馬券は6回(馬連は4回)。この間、1、2番人気馬によるワンツー決着は2回のみ。まずは中穴傾向の重賞と捉えていいが、簡単なレースでないことも明らかだ。
年齢的にはどの重賞もそうだが、4歳、5歳馬がよく連対を果たしているものの、他のレースと比べて6歳、さらに7歳以上の古豪がよく活躍していることは留意すべきだろう。
今回で言えばカラテ(9歳)、アラタ(8歳)以下、ディープモンスター、ホウオウリアリティの7歳馬、さらにはボルドグフーシュ、ライラックなどの6歳勢などからは目を離すわけにはいかない。
そうしてみると、いずれの世代にも有力馬が多くて目移りするが、穴党として大いに注目したいのは、充実ぶりが目立つ5歳馬のニシノレヴナントだ。
気性面に問題があり騸馬になっているが、もともと素質があり、評価は高かった。曾祖母が桜花賞馬ニシノフラワーという血統的背景に加えて、母の父が長距離系のコンデュイット(BCターフ連覇を含むGⅠ4勝)ということで、早くから長丁場で大成するものとみられていた。実際、その期待どおり、勝ち鞍の4勝すべてが2400メートル以上と長丁場で実績を積んできた。
前走の天皇賞・秋(2000メートル)は、この馬としては距離が若干短く、しかも出遅れて最後方からの追走になりながら、しまいは強烈な末脚を発揮。10着と着順は悪かったものの33秒0の上がり脚で、勝ったドウデュースにコンマ7秒差まで迫ってみせた。
休み明けを一度(オールカマー9着)使われただけで、まだ余裕残しの状態だったことを思うと、高く評価していい好内容だった。
その後は有馬記念を目指したものの、除外対象ということで、ここまで待機することを余儀なくされたわけだが、調整は万全。この中間の稽古内容も実によく、追い切りの動きは素軽くてリズミカルで、寸分の狂いもなく仕上げられている。なので3カ月ぶりの実戦とはいえ、仕上がり状態は文句なしと言っていい。
上原博調教師も「この冬場なのに毛ヅヤは抜群。この馬としては最高の状態と言っていいのではないか」と目を細め、状態のよさを強調しているほどだ。
であれば中山の外回りコースを得意としている馬。道悪実績もあることから、晴雨にかかわらず大きく狙ってみたい。
一方のプロキオンSは、夏場に阪神や中京のダ1400メートルで争われることが多かったが、今年からGⅡに昇格し、この時期に移設。距離も1800メートルに改められ、フェブラリーSのトライアルレースとなった。
好メンバーでハイレベルの戦いになるが、GⅠの前哨戦、しかも9ハロンであることから、サンライズジパングに期待を寄せてみたい。
前走のチャンピオンズCは少し体に余裕(前走比8キロ増)があり6着に敗れたが、それでも勝ったレモンポップとの差はコンマ5秒だった。
この中間の調整はいたって順調。であれば前走と同じ舞台だけに、巻き返してくれるとみた。