例のフジテレビ問題以降、トーク番組やバラエティー番組などで、やたらと元フジテレビ女子アナを見かけるようになった気がする。例えば2月10日の「ヒルナンデス」(日本テレビ系)には小島奈津子、11日の「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)には三田友梨佳、さらに同日の「上田と女がDEEPに吠える夜」(日本テレビ系)には近藤サトというように。
フジテレビがキラキラしていた頃の象徴ともいえる、かつてのアイドルアナたち。彼女らに罪はないのだが、「上納疑惑」がうやむやにされている現状、どうしてもイロメガネで見てしまう。彼女たちも「上納」されていたのでは…と。
「ヒルナンデス」以外は収録番組であり、もしかするとあの会見以前のものかもしれないが、ミタパンも近藤も、堂々たる振る舞いはさすが。渦中のフジテレビの元女子アナという肩書きを今使わなくてどうするか、といったところか。
最も逞しさを感じたのは近藤だった。グレーヘアが印象的だが、その理由を、
「私、フジテレビの女性アナウンサーとして、1991年に入社したんですよ。当時はバブルの残り香があって、女子アナと呼ばれた時代。若く美しいってところが求められていて。じゃないと『フレームの中に残れない』という強迫観念があった」
そこに残り続けるためにしがみついてきたのだが、ある時、
「これは自然の摂理、老化というものに抗っている。勝ち目のない戦い、ということに気付いて。それで早く戦いから降りた方が、精神的に健康的だなと思って、白髪染めをやめた」
見方を変えれば「若くて美しくなければ、女子アナ扱いしてもらえない」ともとれる。それこそがフジテレビの社風だと言っているようなものだ。河野景子や八木亜希子あたりにも、ぜひ話を聞きたいものだ。
そういえば八木は現在、連ドラ「アンサンブル」に、松村北斗の母親役で出演している。これも日本テレビだ。考えてみれば、フジテレビの窮状をいちばん喜んでいるのは「セクシー田中さん」問題で批判の的になっていた日本テレビかもしれない。おかげで矛先がお台場に向き、ホッとしているのではないか。
フジテレビ元女子アナ需要、まだまだ伸びそうな予感がする。
(堀江南/テレビソムリエ)