広島カープに3連敗を喫して、5位転落(4月14日時点)となった阿部巨人。その敗因に「マツダスタジアムが苦手」が挙げられている。
昨シーズンのマツダスタジアムでの対戦成績は、6勝5敗2分。数字上は勝ち越しているが、ここで初勝利を挙げたのは7戦目だった。
4月15日からのDeNA3連戦、神宮球場が舞台となるその次のヤクルト3連戦をどう乗り切るかが重要だ。マツダスタジアムが巨人の天敵だとすれば、DeNAは「4月16日の巨人戦」を、同じように捉えていた。
順調にいけば、山崎伊織が先発してくる。4月9日の巨人戦でも山崎が投げており、8回2安打無失点。中6日でまた出てくるはずだ。
DeNAにとって、山崎は天敵以外の何者でもない。前回9日の登板も合わせて、DeNA戦の通算成績は19試合12勝3敗、防御率は1.87である。18試合に先発してQS(クオリティースタート=6回を投げて3失点以内)は15を記録している。7回以上を投げて自責点2以内に抑えるハイクオリティスタート(HQS)でも「10回」をカウントしていた。
球団別の通算先発登板数を調べてみたところ、DeNA戦17試合に次いで多いのは、中日戦の11回だった。巨人は意識して山崎をDeNAにぶつけてきたようだ。
しかし、こんな見方もできる。開幕投手の戸郷翔征が不振で2軍落ちする中、DeNAが天敵・山崎の攻略に成功したら、巨人はかなり厳しい状況に追い込まれる。
「好調だったキャベッジが負傷し、育成の笹原操希を支配下に昇格させるとの報道がありました。ファームにもたくさんの外野手がいます。なのに、わざわざ育成から代役を探したことになる。見方を変えれば、巨人はかなりの人材難なのではないですか」(球界関係者)
エースが不振で、打撃陣も長打力を秘めたバッターが不足している。色々な意味で、山崎の次回登板は重要である。
(飯山満/スポーツライター)