2月16日の「ボクらの時代」(フジテレビ系)の放送を前にして、令和ロマン・高比良くるまがオンラインカジノで賭博に手を染めた事件が発覚し、高比良は公式YouTubeチャンネルで事実を認めて謝罪した。そして案の定、放送は急遽、内容を変更して昨年9月22日の回の再放送に差し替えられた。
前週の放送ではエース(バッテリィズ)×髙比良×伊沢拓司(クイズプレイヤー)の3人が出演し、東京大学卒の伊沢と慶應義塾大学中退の高比良という理論派2人がいることで、エースの愛すべき天然モノのアホさがさらに際立って、非常に楽しい回となった。しかも次週予告で、この3人のトークの続きが見られるとのことだったので、非常に期待していたのに…。
中居正広氏の女性問題が社内で発覚した後も出演番組を放送し続けたことが、先の10時間超の会見で判明。その結果、さらに世間から大きな批判を受け、スポンサーが大量に撤退したままのフジテレビにすればこれ以上、トラブルを起こした人間の出演番組を平然と放送するなど、自らトドメを刺すようなものだったろう。
で、再放送の出演者は軽部真一×三宅正治×伊藤利尋というフジの男性アナウンサー3人。当時はちょうど「めざましテレビ」の総合司会が三宅アナから伊藤アナに交代する直前だった。おっさん3人がにこやかに話す姿は、現在のフジテレビの惨状を思うとどうにもふさわしくない気がするが、この放送時にはまさか、自分の会社がこんなことになろうとは思ってもいなかったであろうから、致し方あるまい。
軽部アナと三宅アナは同期、伊藤アナはその10年後輩ということなのだが、その伊藤アナが言うには、
「三宅さんがフサイチコンコルドの実況をした日本ダービー、『買ってきて』って言って、そのフサイチコンコルドの馬券買ってきたの、僕ですからね。馬券をまあまあな金額、『買って来い』と言って」
先輩のパシリにされたと明かしたことには、今になってみると疑問符が浮かぶ。競馬は公営ギャンブルとはいえ、いわば賭博行為。今回の放送差し替えの経緯を考えた場合、この話題はどうなのか。そして伊藤アナの発言はフジテレビアナウンス部では男女関係なく、先輩から後輩に圧力をかけていることが常態化していたように聞こえて、なんともこの時期には不適切な内容に思えてならなかったのだが…。
(堀江南/テレビソムリエ)