天皇誕生日を含む先の3連休まで1週間以上も続いた「今季最強最長」の大寒波。その後、厳しい冬型の気圧配置はいったん緩んだが、3月初頭からは再び寒波の襲来が予想されている。
そんな中、NEXCO東日本と国土交通省がついにブチ切れてしまった。大寒波襲来中の雪道をチェーンすら装着せずに「夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)」で走行して事故を起こし、長時間の立ち往生による大渋滞を招いた「無責任ドライバー」を、SNSで血祭りに上げたのだ。
NEXCO東日本新潟支社が2月19日に更新した公式SNSでは、
〈本日、関越道でノーマルタイヤ車両の衝突事故が発生しました〉
とした上で、文末にわざわざ「爆発マーク」まで添えて、激しい怒りを表現。さらに高級SUVが事故を起こした現場写真までアップし、バンパーがもげている様子や、夏用タイヤを履いていた事実を世に晒してみせたのだ。
それだけではない。国土交通省の高崎河川国道事務所も2月25日に更新した公式SNSで、群馬と新潟の県境を抜ける国道17号の三国峠で発生した、立ち往生の模様を報告。ノーチェーンで夏用タイヤのEVセダンが、一面銀世界の雪道でスタックして動けなくなっている現場写真をアップした。
NEXCOと国交省による、この一罰百戒の反響は大きかった。いずれも投稿からわずか1時間で〈非常識すぎて言葉が出ない〉〈高級車を買うカネがあるなら冬用タイヤを買えるだろうに〉〈バカ丸出し〉〈タイヤはノーマル。頭はアブノーマル〉〈迷惑千万〉〈免許を剥奪しろ〉といった厳しい声がSNS上に多数、寄せられたのである。
本サイトが昨年末の12月29日に公開した記事で指摘したように、厳寒期の雪道では冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)でもチェーンの装着が必要になるほどの、過酷なコンディションに遭遇する場合がある。ましてやノーチェーンの夏用タイヤで大寒波襲来中の雪道を走行するなど、本人のみならず、他人をも重大な事故に巻き込みかねない超危険な行為である。
ちなみに、雪道で滑り止め措置を取らずに運転した場合の罰則は「違反点数なしの反則金」のみ。酒気帯び運転や飲酒運転に対する厳罰化が大きな効果を上げたように、夏用タイヤでの雪道運転に対する罰則も同様に、大きく引き上げる必要があるのではないか。
(石森巌)