サッカーW杯アジア最終予選(3月20日・バーレーン、25日・サウジアラビア)を前に深刻な問題を抱えているのは、日本代表トリオのFW伊東純也、FW中村敬斗、DF関根大輝が所属するフランス1部リーグのスタッド・ランスである。
3月9日の第25節、オセール戦に0-2で敗れ、自動降格圏となる17位のサンテティエンヌに勝ち点2差まで迫られ、いよいよ危険水域に突入したからだ。
開幕から第7節まで4勝2分1敗と好スタートを切り、優勝争いへの期待が膨らんだ。ところがあれよあれよと調子を落とし、昨年11月10日に勝利して以降は勝ち星なし。
2月3日にはルカ・エルスナー監督が解任されたが、起爆剤にはならず、目下、泥沼の6連敗。復調の兆しすら見えていない。
チームの最大の売りである右の伊東、左の中村の日本人両ウイングには、厳しい批判の矛先が向けられていると、サッカーライターは言うのだ。
「ランスの攻撃は、伊東がドリブルを仕掛けて右サイドを突破し、クロスに中村が合わせるのが得点パターンです。しかし、攻撃のバリエーションはそれ一辺倒で、他の選択肢がほとんどありません。相手チームが伊東封じの作戦を取ると、パスの供給源を断たれた中村は、今年に入って9試合で2点しか取れていません」
最大の武器が機能しなくなれば、守備陣もガタガタの負の連鎖に陥り、6連敗中の間、チームは1得点、13失点と目も当てられない悲惨な状況を招いている。
所属クラブでの不調はそのまま、日本代表の活動にも影響を及ぼすだけに、
「伊東と中村は森保ジャパンでも、攻撃の鍵を握っています。ポジション争いをするライバルたちが絶好調の中、明らかにコンディションを落としており、うまくチームにフィットできるのか、疑問が残るところ。もはや先発出場は難しいかもしれません」(前出・サッカーライター)
史上最速での本選出場権獲得を目前にして、思わぬ不安要素が噴出したのである。
(風吹啓太)