新横綱の豊昇龍が、春場所10日目の3月18日から休場となった。9日目に平幕・一山本にすくい投げで敗れて4敗。新横綱で3個の金星配給は、昭和以降では1964年の春場所・栃ノ海以来、61年ぶり4人目という不名誉な記録だ。先場所も9日目までに3敗し、それも全て平幕相手だった。
相撲記者が解説する。
「豊昇龍の相撲には、勝ちパターンの型がない。シンプルに言うと、相撲が雑なのです。もともと2020年の東京五輪出場を目標として、モンゴルの中学校を卒業後にレスリング選手として来日しているだけに、突貫相撲では仕方がないかもしれません。ただ、そんなことは以前から分かっていたことですが」
相撲協会で豊昇龍推しの八角理事長(元横綱・北勝海)は、先場所の逆転優勝後に「前に出る重みのあるいい相撲内容」と絶賛したが、今場所8日目に3敗目を喫すると「前に出る意識より回り込む意識になってしまった」と評価は急落。結局、「ここからが強いですから」との期待には応えられなかった。
場所前に言い放った「何が起きても休場はしない。負けても休場はしない」は何だったのか。早くも横綱の威厳が崩れた格好だ。
(小田龍司)