芸能

「誤診あり」な難病!いしだあゆみの命を奪った「甲状腺機能低下症」の「多すぎる症状」

「ブルーライトヨコハマ」や「北の国から」「金曜日の妻たちへ」…そして一糸まとわぬ肢体を披露した映画「野獣刑事」まで。歌手としても女優としても活躍した、いしだあゆみ(本名・石田良子=いしだ・よしこ)さんが3月11日、甲状腺機能低下症のため、都内の病院で亡くなったと所属事務所が発表した。76歳だった。甲状腺機能低下症は、喉にある甲状腺からのホルモンの分泌が悪くなる難病だ。

 原因は自己免疫疾患から脳腫瘍までさまざま。女性の20人に1人、男性の100人に1人が発症すると言われる。主な症状は意識消失、疲れやすさ、冷え性、むくみ、体重増加、声がかすれる、声が出なくなる、動作がゆっくりになる、肌の乾燥、貧血、脱毛、便秘、生理不順、不妊と流産…など多岐にわたる。認知機能の低下や抑うつ状態も引き起こすため、40代以上の中高年は更年期障害やうつ病、認知症と誤診されることが多い。

 これまでも甲状腺の病気をカミングアウトしてきた芸能人、著名人はいたが、いしださんの訃報で初めて「死に至る難病」と知った人はいるのではないだろうか。

 甲状腺の病気が怖いのは、冬場に死亡するリスクが上がること。心臓のポンプ機能が低下て心臓の筋肉が厚くなり、動脈硬化が悪化するため、自覚症状がないまま心不全が進行していく。特に寒さが厳しい冬場は、動作がゆっくりになる上に、意識消失しやすく、ひとり暮らしの場合はそのまま凍死、心停止する突然死を招く。

 昨年、上映された柳葉敏郎主演の映画「室井慎次 生き続ける者」では元気な姿を見せていたが、今冬の長引く寒波はさぞこたえたことだろう。

 うつや更年期、認知症だと思って心療内科や婦人科を受診しても、そこで医師が血液検査で甲状腺ホルモンまで調べてくれなければ甲状腺機能低下の診断と適切な治療は遅れ、心不全は進行していく。疲れやすさ、冷え性、肌の乾燥、脱毛…といった日常生活にありふれた症状でも、長引く場合は血液検査を受けた方がいい。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

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