日本のスポーツ報道は開幕シリーズで帰国した大谷翔平とドジャース一色だが、実は大谷にまつわる意外なモノへの評価が急上昇している。
それは3月17日から全国オンエアされている、伊藤園「お~いお茶」新CM。「お茶の常識、すてましょう。」篇だ。
ロサンゼルスのビーチで商品を見つめる大谷のシーンから始まると、次の場面では砂浜でサッカーボールを使ってリフティング。サッカーライターは驚きを隠さない。
「実際の撮影はロスのスタジオで行われましたが、素人とは思えないテクニックを披露しています。サッカー未経験者の場合、太腿でリフティングするとボールを落としにくいんですが、大谷選手はインステップ(足の甲)でボールを蹴り始めると、左右の両足で交互にリフティングする。それだけでもただ者ではない運動能力の持ち主だとわかるのですが、両手をポケットに突っ込んだままなんですよ。普通は手でバランスを取らないとやりにくいんですけど。かなり難易度の高いテクニックだということを、本人は気付いていないんだと思います」
CMでは数カットに区切られて、6~7回ボールを蹴り上げているのだが、メイキング動画では投げられたボールをインステップで受け取ると、そのまま9回継続させている。そんな華麗な「ショータイム」に、サッカーファンが残念がるのも無理はない。サッカーライターが続ける。
「以前からサッカーファンの間では『もし大谷がサッカー選手だったら、どんなプレーヤーになっていたのか』という話で盛り上がることが、しばしばありました。足は速いですし、193センチ、95キロという恵まれた体型を生かしてFWでもやっていれば、日本の弱点でもある世界トップクラスのエースストライカーに育っていた可能性は十分にあります。これまではそういった妄想の域を出ませんでしたが、今回のCMを見て『本当にサッカーを選んでいたら、日本はW杯優勝に近づけたのではないか』といった声がサッカーファンの間で上がっています」
サッカー界が逃した魚は大きかった。
(海原牧人)