いよいよサッカーW杯出場権獲得を決めるアジア最終予選(3月20日・バーレーン、25日・サウジアラビア=埼玉スタジアム)を迎える森保ジャパン。その中にあって、ひときわ強い存在感を放っているのが、MF堂安律(フライブルク)である。サッカー担当記者が言う。
「3月16日にドイツから帰国するや、早々に囲み取材に応じたんです。しかも自ら報道陣に投げかけてのもので、海外組では極めて異例なことでした」
そこで堂安が熱く語ったのは、
「僕が先頭に立って気を引き締めて、地に足をつけた試合をできるように頑張りたい」
「W杯で優勝を目指しているチームなんだということを皆さんに見てもらいたい」
サッカー担当記者が続ける。
「彼からあそこまで堂々とした言葉が出てくるのは、背番号10の自覚はもちろん、フライブルクでしっかり数字を出せているから。リーグ戦での8ゴール5アシストは助っ人として十分に胸を晴れる数字で、まさに覚醒したと言っていい。その自信から来るものでしょう」
森保一監督の中で定める「序列」において、堂安の扱いは同じ左利きでポジションがかぶる久保建英より上だ。
「堂安も久保も、代表で10番をつけることを希望してきましたが、最終的には攻撃だけではなく守備も奮闘していた堂安になりました。久保も最近のリーグ戦では献身的なプレーが増えてきましたが、『パスをよこせ』と言わんばかりの王様プレーのイメージがまだ染みついていますからね」(サッカー協会関係者)
この2戦で、堂安が発言通りのプレーで森保監督の期待に応えるか。久保は完全にイメチェンした姿を見せられるか、見ものである。
(小田龍司)