オープン戦での不振で、改めて中日・中田翔の「厄ネタ」ぶりがクローズアップされている。「厄ネタ」とは厄介な事情を抱えた物事を示す表現で、ネットスラングでは不運や災難、トラブルなどの話題を指す言葉だ。
3月18日の時点で中田はオープン戦8試合に出場し、18打数2安打の打率1割1分1厘。2打点こそ記録しているが、本塁打はゼロだ。これまで春先は好調なシーズンが多かっただけに、公式戦に突入すれば激変する可能性はあるが、不安を抱えたスタートになりかねない。スポーツ紙遊軍記者も懸念をあらわにする。
「明らかに力が落ちていると思いますね。キャンプインの当初は、ダイエット効果で悩んでいた腰痛から解放され、期待できると騒がれていました。ところが最近は、とんと話題にならなくなった。チーム事情で開幕後も井上一樹監督はしばらくはスタメンで起用するかもしれませんが、現状ではあまり期待はできない。年俸3億円に見合うとは思えません」
球界OBからは、こんな厳しい指摘が。
「仮に現状の中田にクリーンアップを打たせるようでは、今季も中日は期待できない。新戦力が台頭してこない限り、また最下位争いをすることになるよ」
そこで出てきたのが、冒頭で挙げた「厄ネタ」だ。中田がそれにあたるというのだが、
「その厄ネタを切ったチームはなぜか、成績が上がる。事実、中田をトレードに出した日本ハムは新庄剛志監督の下、戦力が年々充実しました。昨年はクライマックシリーズに進出し、今季はリーグ優勝を狙えるチームになったでしょう。巨人も中田がチームを離れた途端に、セ・リーグ優勝を勝ち取った。過去にもそんな巡り合わせになる選手はいたと思いますが、中田の場合は顕著ですね」(前出・遊軍記者)
低迷する中日で、中田は数少ない全国区のスター選手。復活すれば営業面でも貢献できる存在だけに、このまま終わってほしくないが…。
(阿部勝彦)