今や携帯電話はスマホ全盛のようなイメージがあるが、スマートフォンの契約件数は6500万件ほど。一方、これまでの折り畳み式ケータイ、いわゆるガラケーはいまだに6000万件ほどの契約件数だと言われている。なんと、ほぼ半分は今もガラケーなのだ。
そうした現状にもかかわらず、スマホの普及もあいまって、ここ数年、ガラケーはあまり目立った進化をしてこなかった。
そこで2月20日よりauから新登場したのがシャープ製「AQUOS K SHF31」だ。この機種が今、意外な人気を誇っているという。
「このケータイは見た目はガラケーなのですが、中身はAndroidというスマホに使われるOSが入っている。メーカーではガラケー+スマホ=“ガラホ”と銘打って発売しています」(家電ライター)
そもそも、これまでのガラケー利用者がスマホに変えようとする理由はだいたい決まっているという。
「大きく2つに分けられます。ひとつ目は『ガラケーだと見られないサイトが多い』『その場で気軽に検索できなくて困る』などのブラウザに関する理由。もうひとつは『自分もLINEを使いたい。使えなくて仲間外れになるのが嫌』という理由。逆にいうと、その他のことでユーザーは、ガラケー自体にあまり不満を持っていない。だけど、お店に行くと店員にはスマホを勧められてしまう。本当はスマホが欲しいわけではなく、操作に慣れているガラケーの“使える”新機種が欲しいのに‥‥。そうしたサイレントマジョリティの声を反映した初の機種なんです」(前出・家電ライター)
そもそもガラケーは、専用に作られたサイトやデータ量が軽いサイトしか見られなかった。
そこでこの機種では、PCやスマホでしか見られない通常のWebサイトを見られるように変更。10キーなどの物理ボタン部分を、スマホのように指でなぞる操作をすることで、画面のスクロールや拡大縮小なども行えるという。また、LINEにも専用アプリで対応している。Youtubeなどの動画視聴も「4G LTE」という高速回線対応なのでスムーズだ。
つまり、ガラケーにスマホの機能を一部追加したケータイということだ。これが意外と従来のガラケーユーザーだけでなく、スマホユーザーからも好評なのだという。
「電池の持ちがスマホと比べて格段にいいですし、電話番号や文字入力時に物理ボタンがあるのはやはり使いやすい。しかも、全部片手でできますからね。通話もしやすいし。あらためてガラケーも良かったなぁ、と思い出させてくれるんです」(前出・家電ライター)
「バッテリーが1日持たない」「通話がしにくい」「メールが打ちにくい」‥‥。スマホを使っているうちに、いつの間にかなんとなく受け入れてしまっていた多くの不満。それを解消した「AQUOS K SHF31」は、日本ならではのきめ細やかさが光る、新たなケータイの標準形だといえるだろう。
シャープ「AQUOS K SHF31」製品情報 http://www.sharp.co.jp/products/shf31/