今、「格安SIM」と呼ばれるサービスが注目されている。これはドコモなど携帯電話キャリアの回線を借りて通信事業を行う事業者(MVNO)によるサービスで、データ通信料金が安くなるというもの。例えば、通常の携帯キャリアであれば月額3000円以上かかるところを、月に1~3Gバイトのデータ量であれば1000円かからずに利用できたりするのだ。ただ、デメリットもあり、通信キャリアと違い通話料金のかけ放題プランはなく、月額約700円+通話料で通話が可能となる。
注目されているだけあり、多くの事業者が参入してきているため、どこを選べばいいのかは正直難しい。各社さまざまなプランを用意しているため、どのような使い方をするかでお得度も大きく変わってくる。そこで、大きく3つの使用形態に分けて、携帯電話ライターにオススメのプランをあげてもらった。
(1)データ通信のみ
「まず通話を一切しないのであれば、とにかく安いプランを探すことです。そのうえで、どれだけデータ通信をするのか考えましょう。Wi-Fiを利用せずに動画を見たりアプリをダウンロードしたりするなら、通信速度や通信量に余裕が欲しいところです。『DMM mobile』は“業界最安”を標榜しているだけあり、150Mbpsの通信速度で3GBが850円、10GBでも2250円となっています。データ通信量も1GB、2GB、3GB、5GB、7GB、8GB、10GBと細かく設定されています。また、『BIGLOBE LTE・3G』であれば、使い切れなかったデータ量を翌月に繰り越せるサービスを始めています(データSIM/3GB 900円など)。これなら、払った料金分を無駄なく使えます」
(2)通話&メール
「通話はそこそこするが、データ通信はファイルを添付しないメールのみで十分、という人であれば『ワイヤレスゲート』の『音声+250Kbpsデータプラン』が安くてオススメ。通信速度は250Kbpsと遅く、音声通話は30秒20円かかりますが、基本料金は月額1204円で済みます。通話機能がついているためSMS(電話番号同士で70字までのショートメールを送れる機能)があるのも魅力です」
(3)通話&大量データ通信
「通信速度や通信料の上限を気にせずデータ通信をしたいし、かつ通話もしたい。そんな人には、『b-mobile』の『b-mobile SIM 高速定額 音声付』がオススメです。月額2780円で、150MbpsのドコモのLTEネットワーク(Xi)を無制限に利用できて、かつ通話も可能となります(30秒20円)」
ちなみにデータ通信の品質に関しては、ほとんどの事業者がドコモの回線を利用しているが、「回線をどれだけ借りているか」「どれだけ利用者がいるか」で事業者ごとに通信スピードの差はでてくる。しかし、そのデータは公表されていないため、こればかりは口コミを頼りにするほかないというのが正直なところのようだ。
「OCNの『OCNモバイルONE』の通信品質が劇的に向上したともっぱらの噂です。つまるところ、回線数や利用者数によって、通信品質は影響を受けて遅くなったりするため、水物であるのは否定できません」(前出・携帯電話ライター)
料金表で候補を絞った後は、ネットなどのリアルタイムな口コミを参考にして選ぶと良いだろう。