広島が4月6日のDeNA戦に勝利し、本拠地マツダスタジアムに戻って来て3連勝を飾った。オープン戦終盤に正捕手・坂倉将吾をケガで欠き、開幕序盤に4番モンテロ、5番の秋山翔吾も負傷。1番打者に定着しつつあった二俣翔一はバント失敗の打球が顔面を直撃し、前歯を損傷する大ケガを負った。
この3連戦中も矢野雅哉、會澤翼がデッドボールを食らうアクシデントに見舞われており、「そんな状態でよく勝てたもんだ」というのが正直な感想だ。
二俣は強行出場を続けたが、その二俣をスタメンから外した6日、前夜にサヨナラ本塁打を放った田村俊介が4番に入った。レギュラー選手がケガをしても「代役」が出てくるのが、広島の強さだろう。
今年の広島戦については「意外な感想」が聞かれた。「やりにくい」との声が続出しているのだ。オフの間にマツダスタジアムの照明がLED化され、内外野の天然芝が9年ぶりに張り替えられたことが、その理由だという。
ビジターチームが指摘するのは「LED化されて上空が白く見える」「ゴロ打球がイメージした箇所に来るのが遅かった」など。6日の試合では、二塁を守るDeNAの牧秀悟がゴロ打球を捕り損ねた。前日もDeNAの三塁失策が2つ記録されている。DeNAは「守備に難アリ」とされるが、開幕カードをマツダスタジアムで迎えた阪神からも「やりにくかった」の声が聞かれた。慣れるしかないのだが、ほかにもこんな指摘がある。
「昨年、マツダスタジアムを苦手とするチームがいくつかありました。四方全てが広島ファンで埋まり、ビジターチームの応援団はレフトのファウルゾーン後方席に陣取る形態なので、それを気にする選手もいました」(球界関係者)
チームの救世主は新しい天然芝とLED照明かもしれない。ケガ人続出でも「地の利」で広島が浮上してくるのではないか。
(飯山満/スポーツライター)