年内の世界タイトル戦を視野に入れるボクシング界のビッグマウス、那須川天心はなぜKO率が低いのか。元世界王者の渡嘉敷勝男氏の見解は「所属ジムの作戦ミス」だった。自身のYouTubeチャンネル〈「渡嘉敷勝男公式」トカちゃんねる〉で語ったのは、
「噛ませ犬が(選手を)強くする作戦のひとつだったんですよ。格下の選手でもいいから倒して、拳にインパクトを与える。そうすると、倒しやすくなってくる。強いチャンピオンも格下の選手を倒しながら勝つコツを覚えて、上がってきたんですよ。それが天心くんの場合は、強い、強い、強い、無敗、無敗、無敗の選手たちとか、前回も元世界チャンピオンと戦っている。どっかで噛ませ犬を入れないと無理ですよ。こんな天才を…もったいない」
その上で「帝拳さん、作戦、間違ってますよ!」と呼びかけたのである。
那須川の対戦者を見ると、2戦目のルイス・グスマン(メキシコ)、5戦目のジェルウィン・アシロ(フィリピン)は当時、無敗だった。6戦目に判定で勝利したジェイソン・モロニー(オーストラリア)は、元WBO世界バンタム級王者だ。
渡嘉敷氏は、那須川が倒すコツさえ掴めば、井上尚弥、中谷潤人に並ぶ逸材だと熱弁。
「K-1ではKO率が7割。その選手がボクシングでは3割しかKOしてない。そんなことない。あれだけの才能ある選手なんだから、ボクシングを覚えて倒すコツを覚えれば絶対、スーパーチャンピオンになりますから」
那須川の戦績は、「神童」と称されたキックボクシングでは42勝(28KO)無敗。ボクシングは6勝(2KO)無敗である。今さら帝拳ジムがガラッと方針を変えるとは、なかなか思えないが…。
(所ひで/ユーチューブライター)