去る3月18日、田代まさし(58)が、3年6カ月の刑期を終えて出所後、初めて公の場に姿を現した。漫画エッセイ本「マーシーの薬物リハビリ日記」(アース・スターエンターテイメント)出版記念イベントを都内で開催したのだ。禁止薬物所持で2度逮捕され、出所2年後に別の薬物所持で逮捕。再び実刑判決を受けて下獄した男は何を語ったのか。
「多くの方を傷つけてしまったことをおわびします」
そうイベント前の会見で語った田代。が、若干ロレツが怪しい気が‥‥。それを記者に突っ込まれると、
「クスリをやってるほうが、僕は滑舌よくなるし、手の震えが止まります(だから今はやっていない)」
と釈明。記者が「転落」の始まりとなった、私鉄駅構内での盗撮事件(2000年)の際の「ミニにタコ」釈明会見にかけて「今の気持ちをダジャレで」と質問すると、
「まだ言いますか。もうそんな言葉は耳にタコです」
と両耳をふさぐ。そんな田代は出所後、薬物依存症更生施設「日本ダルク」に入寮。今は通いでスタッフとして働いているが、ダルクの近藤恒夫代表に出所直後にごちそうされた、しゃぶしゃぶに触れ、懐かしそうにこうも語った。
「その(しゃぶしゃぶの)味が忘れられない」
会見が終わりイベントに移ると、田代は紫色のサングラスをつけて登場。「笑いをとるモード」に移ったようで、まずは自筆の「薬」という字をプロジェクターに大写しにして、
「薬っていう字は中に『楽』って字が入ってる。薬って、楽しいのよ、楽なの。だから使っちゃうんだよ!」
観客が戸惑うのもかまわず、さらにこう続けた。
「ASKAさんが逮捕された時、(知人に)『今なら佐村河内さん作曲で、チャゲ&マーシーでデビューしたら売れる』と言われた」
「盗撮系AVレーベルに勝手にキャラクターにされていたり『マーシーおすすめ』とか書かれていた」
そしてミニスカ事件については、今度は饒舌にこんなふうに振り返るのだ。
「いまだにミニスカートの女の人を見るとドキドキする。あの時はクスリやってない“シラフ”の時だったから、これは性癖だね」
途中、口内に含む薬物検出キットをシャブってみせて反応が出ないことを観客に見せつけると、
「STAP細胞ではないですが(薬物中毒からの)回復はありまぁす!」
休憩後の第2部では、ここから登場したインタビュアーの吉田豪氏に、「(ラッツ&スター時代に)靴墨を顔に塗るのは田代さんが考えたんですよね」と振られると、待ってましたとばかりに、こう即答した。
「そうです。靴墨を塗って、リーダーの顔にも泥を塗ってしまった。(鈴木雅之は)男気があって顔も大きいけど心も大きい」
時間が遅く感じる刑務所内で、暇つぶしに考えたという「ギャグ」も次々披露。
「“ぺディグリーチャムがおいしくなりました”って誰が食べたんだよ!」
「JALはジャパンエアーラインの略でANAはオールニッポンエアーの略。なぜANAは最後がラインじゃない? ANAL(アナル)になっちゃうから!」
会場のウケはいまひとつだ。
「桃屋の『ごはんですよ』は御飯じゃないだろ!」
と叫んだ時には、吉田氏から「それ、前(08年の復帰時)に聞きました」と突っ込まれていた。
もっとも、今回の新著では刑務所でオナニーすることを「アタリ」と呼び、同房の囚人仲間に断って房内のトイレでアタリにふけることなど「塀の中の知られざる実態」にも触れられており、なかなか興味深い。
薬物中毒者の間では、薬に再び手を出すことを「スベる」と呼ぶこともイベントで明かしていた田代。会場ではスベり気味だったが、薬物に関してはもうスベらないでほしいものだ。