今週は中山で「ダービー卿CT」が行われる。荒れることで有名なハンデ重賞で、昨年は1~3番人気馬が馬券圏外に敗れて3連単31万円。穴党の出番だ。一方、阪神の「大阪杯」は、GI馬7頭が顔をそろえる超豪華版!
ダービー卿CTが今週のメイン。中山のマイルを舞台としたハンデ戦。よく荒れることで知られる重賞である。
周知のように、おむすび型のトリッキーなコースで争われるだけに、スムーズな競馬をできない馬がいて、紛れがある。それが波乱の要因になっていることは確かだ。
馬単が導入された03年以降の12年間で、その馬単で万馬券になったのは8回(馬連では3回)という多さだ。うち05年~08年の4年連続で万馬券が飛び出ているのだから、有力、人気どころは疑ってかかれということか。ともあれ、今回の顔ぶれを見ても力が接近しており、簡単には決まりそうにない。
人気は、アーデント、エキストラエンド、クラリティシチー、クラレント、コスモソーンパークに、シャイニープリンス、目下2連勝中の上がり馬モーリスあたりが分け合うのだろうが、枠順の有利、不利(多頭数になればなるほど、中山のマイル戦は脚質いかんにかかわらず内枠有利)もあり、一筋縄で収まるとは思いにくい。
なら参考までにデータをひもといてみようか。03年以降では、4歳馬が5勝、2着6回。充実の55勝、2着6回。充実の5歳馬が6勝、2着4回。つまり4歳、5歳馬でほぼ決まり。6歳以上の古馬のつけいる隙は小さいと言ってよさそうだ。
次にハンデだが、52キロ以下の軽ハンデを背負った馬の連対はきわめて少ない。おもしろいことにハンデ頭か、それに近い57.5キロの斤量を背負った馬が3勝(2着1回)していることは、注目していいだろう。つまり、それなりに実績を残す力量馬でないと出番がないということも確かなようだ。
こうしたデータを踏まえたうえで、穴党が最も期待を寄せてみたいのは、マイネルメリエンダだ。
上り調子の明け4歳馬で、少しばかり間隔が開いたが、とにもかくにもここ目標にしっかり調整されてきたことを、まずは強調しておこう。
前走の東京新聞杯は7着。とはいっても勝ち馬とはコンマ3秒差。馬場状態は、やや重。しかし午前中からの雨で、見た目以上に馬場は悪かった。それでも先行馬には分が悪い厳しい流れの中、最後までよく頑張っていた。
そのあと、短期放牧でリフレッシュ。それが奏功してか、ここにきての充実ぶりが目立っている。トレセンに帰厩してからこの1カ月の稽古の動きはすばらしく、好気配を誇っている。
「今年に入って馬体重が増えているように、3歳時とは比べ物にならないくらいたくましくなっている。控える競馬も板についてきた。ここに入っても見劣りしないと思っている」
和田郎調教師はじめ厩舎関係者は、こう期待を込める。ならチャンスは小さくあるまい。前々走の京都金杯は54キロでコンマ1秒差の3着、前走が56キロ。今回のハンデは、恐らく55キロだろう。マイル戦は最も得意とするところで、中山コースも相性がいい。ここはメリエンダにとって走れる条件がそろった一戦だ。
ニホンピロウイナー(安田記念、マイルCS2回勝利)、キタノカチドキ(皐月賞、菊花賞)が近親。真ん中より内枠を引いたなら、良馬場条件に大きく狙ってみたい。
産経大阪杯は、エアソミュールの勝機と見た。短期放牧明けになるが、乗り込み量は豊富。1週前の追い切りは文句なく、まずは万全に近い好仕上がり。鉄砲駆けが利くタイプで阪神は〈3 0 1 2〉と相性よく、良馬場なら好走必至だ。
◆アサヒ芸能3/31発売(4/9号)より