連載737 天才テリー伊藤対談「オフレコ厳禁」
昨年J1昇格初年度でのリーグ制覇という快挙を成し遂げた柏レイソルの顔・北嶋秀朗が登場! 自身も9得点と優勝に貢献し、「感触がつかめた1年だった」と振り返る。現在 33歳、「ボールを蹴らない生活はまだ想像できない」と語る北嶋の来季の活躍を天才テリーも大いに期待!
ゲスト 北嶋秀朗(きたじま・ひであき)
1978年生まれ、千葉県出身。柏レイソル所属、ポジションはFW。市立船橋高校時代に第73回、第75回全国高校サッカー選手権で優勝。97年に柏レイソルに入団し、プロ生活をスタートさせる。2010年のJ2降格から1年でJ1に復帰し、昇格初年度の昨年にクラブ初となるリーグ制覇を成し遂げ、自身も9得点を上げるなど優勝に貢献した。
テリー 母校の市立船橋が優勝しましたね。
北嶋 おかげさまで。ありがとうございます。
テリー 同点にしたのが残り3分ぐらいでしたっけ。
北嶋 ロスタイムですね。僕も凄い興奮しました。国立に観に行ってたんですけど、あらためて母校の優勝がこんなにうれしいんだと強く実感しました。
テリー でも、柏レイソルは去年、J2から昇格してすぐJ1で優勝って、これも凄いですよね。
北嶋 そうですね。こういう例は世界でも1回か2回しかなくて、そういう意味では凄いことだと思います。難しい理由の一つに、1回、J2に落ちなきゃいけないというのがありますので(笑)。
テリー ハハハ、それはそうか。J2降格というのはどんなことなんですか。
北嶋 やっぱりサポーターという大きな存在があるので、たくさんの人に悲しい思いをさせてしまったというのがありますね。
テリー J2の試合は、J1とどう違うんですか。
北嶋 サッカーの質そのものがちょっと違います。守りを重視してくるチームが多いので、それを攻略していくのがとても大変でした。
テリー 守られると点も入れにくいですよね。
北嶋 そうなんですよね。プロの選手たちが組織的に守ると、それを崩すのは難しくて、その難しさを1年間感じながら、それでも勝ってきたというので自信がついた1年だったかもしれないです。
テリー それで昇格が決まって、開幕してからは凄かったですね。
北嶋 そうですね。J2では2敗しかしなかったので、勝ち癖みたいなものがついていて、最初の数試合がそれをJ1仕様に変えていく作業だったと思うのですが、そこでうまく勝ちを拾えて、確信に変わっていった感じですね。
テリー ということは、J2に落ちたのは勝ち癖をつけるためによかったと。
北嶋 そうですねえ。だからといって1回落ちたほうがいいとはまったく思いませんけど。
テリー そりゃそうだ(笑)。開幕前はみんなどんなことを話したんですか。
北嶋 スタートダッシュが大事だというのを監督からも言われていました。J1に衝撃を与えようぜというのはみんな思っていて、俺たちも「できる」という思いがあったし、それを確信に変えていきたいという感覚の中での戦いでしたね。
テリー サポーターも喜んでくれたと思いますけど、サッカー選手にとってはどういう存在なんですか。
北嶋 よく「12番目の選手」という言い方をするんですけど、本当にそんな感覚です。だから、負けるとブーイングがやっぱりあるのですが、僕は「12番目の選手ならあなたたちにも責任があるでしょ」みたいに思っちゃうんですよ。
テリー ハハハハ。
北嶋 俺が選手に「ちゃんとやれよ」みたいなことを言うのと同じような感覚があるのかもしれないけれど、それぐらいの信頼関係がレイソルにはあるのかなという気がします。
テリー 責任を共有してるということはサポーターとしてもうれしいよね。
北嶋 まあ、そう理解してくれる人も、してくれない人もいるので、難しい部分はあるんですけども。