なぜ、これほどの美女が埋もれていたのか──。彗星のごとく表舞台に登場するや、「ヒツジスト」が急増。今最も「旬な」女優が吉田羊である。舞台で培われた変幻自在の演技力と切れ味鋭いトークで一気に開花したクールビューティーな素顔を全公開する。
昨年7月期の月9ドラマ「HERO」(フジテレビ系)の検事・馬場礼子役で大ブレイクした女優・吉田羊(年齢非公表)。木村拓哉(42)主演で01年の大ヒット作の続編だけに、見慣れぬ美女の登場に注目が集まった。スポーツ紙芸能担当記者が振り返る。
「1作目の美人検事の大塚寧々(46)に代わる好ポジションだけに、シンデレラ的な大抜擢に映りました。彼女自身も11年ぶりに長い髪をボブカットにするなど、これに賭ける意気込みが伝わってきた。ただ、一般的には無名の存在も、芸能界では『ついに来たか』という声が聞かれるほどの実力派で、その演技力は中井貴一(53)と脚本家の三谷幸喜(53)のお墨付きというフレコミでした」
実年齢41歳という吉田の役者歴は、大学3年生の時に小劇場から始まる。01年、女性3人で劇団「東京スウィカ」を旗揚げ。ドラマの本格デビューは30歳過ぎの07年という遅咲きだ。スポーツ紙芸能担当記者が続ける。
「ターニングポイントは、08年のNHK連続テレビ小説『瞳』の看護師役。患者役の西田敏行(67)との自然な掛け合いをテレビで見ていた中井の目に留まった。当時、まだ無名の吉田は時にはアドリブを交え、西田が巧みに応える。その自然な会話に中井が驚き、翌年には自分が主演のドラマに吉田を端役で起用した。わざわざ彼女の役柄を追加したほどでした」
中井は親しい三谷に吉田を推奨。舞台関係者が言う。
「09年3月、三谷率いる『東京サンシャインボーイズ』の15年ぶり復活公演キャストに抜擢され、一気に知名度が増しましたね。11年の舞台『国民の映画』では、愛人の権力と自分の実力を勘違いしている、あさはかで悲哀に満ちた新進女優を好演。三谷から『20歳ぐらいの気持ちで』という難しい注文にもこともなげに対応し、初日から客席は笑いの渦でした」
三谷ワールドに触れて飛躍的に演技力を磨き上げた吉田は、11年と12年のNHK大河ドラマに連続出演し、12年のNHK連続テレビ小説「純と愛」で、お茶の間のファンをうならせた。芸能ジャーナリストの佐々木博之氏が話す。
「『HERO』の検事役と、警視庁捜査1課の管理官役を務めたドラマ『ウロボロス』(TBS系)ではともにクールなキャリアウーマン。髪の分け目を左(HERO)と右に変えて雰囲気を変えていましたが、『純と愛』ではロングヘアで“デキる女”を演じていた。ホテルの接客指導担当役の彼女が社長役の舘ひろし(64)に向かって束ねた黒髪をバサッとほどきながら意見するシーンは、実にカッコよかった。夜の銀座でも、あれほど夜会巻きの似合う美女は少ない。同じクールビューティー系の吉瀬美智子(40)にはちょっとマネできそうにない」