07年の独立後、女優業を邁進する吉田。年齢を非公表にしている理由は、来る仕事は全て受けるという気概の表れだという。スポーツ紙デスクが解説する。
「起用する側に、好きに年齢を捉えてほしいと考えていて、『女子高校生役のオファーが来てもなりきる自信があります』と言う。『でも、どちらのお店ですか、なんて聞かれるだろうな』とウイットに富んだ発言も」
今年のGW映画では「ビリギャル」(東宝)と「脳内ポイズンベリー」(東宝)の2本に出演。映画パーソナリティの津島令子氏が話す。
「真木よう子(32)主演の『脳内──』は、真木扮するアラサー女子の頭の中で繰り広げられる脳内会議が見どころの一つ。その脳内でネガティブ思考の女子を演じる吉田も、ドSキャラ全開のマシンガントークを炸裂させています」
実は、吉田がひそかに演じたいと望んでいる役は「花魁」だという。スポーツ紙デスクが続ける。
「インタビューなどでは『人を笑わせることが最も難しいので、コメディに挑戦したい』と話していますが、恩師の三谷には『吉原炎上』の仁支川峰子(56)のような役がやりたいと明かしていたそうです」
「吉原炎上」(東映)は、巨匠・五社英雄監督の87年の映画。名取裕子(57)、かたせ梨乃(57)、藤真利子(59)らそうそうたる名女優が惜しげもなく脱ぎ、スクリーンにさらけ出している。中でも仁支川演じる花魁は吉原でも「中梅楼の御職」に就く売れっ子ながら、無理がたたって肺病を患い、職を失って真っ赤な布団部屋に閉じ込められる。そこで胸もあらわに絶叫するのだ。
「誰でもいいからさ‥‥抱いておくれよ。ねえ‥‥かんでよ、ここ。ここかんでここ! かんでよおっ!」
津島氏もこれには大賛成である。
「ぜひ薄幸の花魁役は観てみたいですね。端正なルックスに加え、しっかりとした演技力も備えている。クールな役どころを完璧にこなした今、舞台出身だけあって演技の引き出しの多さを感じるだけに、次はボロボロの女をどう演じるのか、興味津々です。汚れ役が彼女のイメージを損なうとは思えないだけに、大いに期待してしまう」
昨今の邦画界に蔓延する「脱がない症候群」。そこにはCMスポンサーの意向も大きく影響すると言われるが、彼女はその例に当てはまらないのだとか。
「例えばベビー用品のCM出演中に脱がれるとキツイ。バストを出すことに担当者は悩みます。でも(吉田が出演する)『ポカリスエット』や焼酎『雲海』なら大丈夫。『女優ですから何でもやるんですよ』と吉田に代わってスポンサーに言えればいいんですが、彼女はその数少ない言えるタイプに入りますね。まだバリバリに主役を張っているわけではないため、CM契約料は1000万円から2000万円ほどと、お買い得感も」(広告代理店スタッフ)
芸能評論家の小谷哲氏は、CMタレントとしての存在感をこう評するのだ。
「貴婦人も汚れた女性も演じてしまうニコール・キッドマンに近いものを感じます。天使も悪魔も潜んでいるように映る。ドラマでクールなキャリアウーマンを演じ、ポカリスエットのCMでは穏やかな母親役。さらにENEOSのCMでニュースキャスター。30秒間のCMではなく、ぜひ深夜のニュース番組で見たい。夜遅く帰宅するサラリーマン族を癒やし、たしなめてほしい」
その二面性こそが最大の「武器」なのかもしれない。