4月15日スタートのドラマ「Dr.倫太郎」(日本テレビ系)にて、精神科医の日野倫太役を務める堺雅人。連続ドラマの主役は「リーガルハイ」(フジテレビ系)以降、実に1年4カ月ぶりとなる。
「堺は昨年、ドラマスペシャル2本に出ただけで、映画や舞台にも出演していません。ただ、昨年3月からCMキャラクターを務めているビール系飲料のテレビCMが年中放送されているので、視聴者は堺の不在感を感じていないわけです。このCMではずーっと笑いっぱなしで、リーガルハイから続くコミカルなイメージを維持している状態ですね」(テレビ誌ライター)
そんな笑いっぱなしの堺が挑むのは、聞き上手が多いと言われる精神科医の役だ。長台詞が印象的だった銀行マンの半沢直樹や、議論好きな弁護士の古美門研介とは“真逆”のキャラであるにもかかわらず、その演技にはまったく違和感を感じない。その理由をドラマ関係者がこう語る。
「大学で演劇に没頭していた堺は、新しい試みには積極的にチャレンジするタイプです。所属していた東京オレンジでは、舞台上の堺が無言のまま1分余りも客席を眺め続けるという芝居もあったとか。自分の役を徹底的に研究するタイプですので、今回のドラマでも精神科医がどんな仕事なのか、完璧に調べあげていることでしょう」
実は堺はかつて、精神科医が登場する映画に出た経験がある。2011年の映画「ツレがうつになりまして。」ではうつ病を患うサラリーマン役を務め、劇中で担当医から「症状から見て典型的なうつ病ですね」と宣告されるシーンがあったのだ。その4年後に真逆の役をもらうことになったのも、どんな役でも演じられる堺ならではのエピソードだろう。
一方で堺のファンであれば、かつて映画「ジェネラル・ルージュの凱旋」にて、大学病院の救急センター部長・速水晃一役を演じていたことを思い出すはずだ。今回の「Dr.倫太郎」も舞台は同じく大学病院。敏腕の精神科医役が、血まみれ将軍こと救急センター部長役に重なって見えたりはしないだろうか。
「堺の凄さは、その時々の役を完璧に作り上げることです。その変わり身は“カメレオン俳優”と言われるほどの見事さ。堺自身、『僕はこういう俳優になりたいから、こういう役はやりたくありません、というのもありません』と語っており、変なこだわりを表に出すことはないのです。だからこそ半沢直樹のすぐあとにリーガルハイに出演しても、違和感がないのでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
そんなカメレオン俳優がどんな精神科医で話題をさらってくれるのか、今から堺が口にする決め台詞が楽しみになってきそうだ。