さて、では万事真面目にこなしていそうなタイプに思える公務員はどうか。まず消防士や警察官は?
「仕事は24時間勤務を3交代制ですが、使命感や達成感があるためポジティブに仕事に頑張れます。基本的に体が資本なので、体の自己管理は徹底しており、体力作りや筋トレもしているので消防士の肥満はいない。警察官にも肥満は少ないので、早死にしない。むしろ仕事の現場が危ないわけです」
一方、エリート官僚だって楽じゃない。
「官僚社会はコネ、学歴、しがらみがモノを言う、実力が全てではない特殊な世界。理不尽なことがまかり通るためにうつなどで自殺者が多い。そんな中、人を踏み潰していける人間が、国会議員になれるのかも‥‥」
公務員の中で最も厳しいのが実は教師だという。
「今、いちばんかわいそうなのが教師です。平気で給食費を踏み倒す、子供が朝起きないから代わりに起こせ、などとモンスターペアレントが多くて教頭になったとたんにうつになり、平教師に戻った人もいます。同じ客商売でもラーメン店なら嫌な客に『代金はいらんから出て行け』と追い出すことができますが、生徒や親を追い出すわけにはいかない教師は悲惨です」
続いて、秋津氏にとって最も身近な医療現場についても語っていただこう。
「放射線技師は、昔は患者と一緒の部屋に入ったが、今は隣の部屋にいるのが普通なので問題ありません。むしろ心臓カテーテルの手術をする医師は要注意です。カテーテル手術はレントゲンを当てた画像を見ながら患者の横で手術することになる。もちろん鉛のエプロンなどで防御していますが、毎日手術している医師は被曝量が高くなります。ですから循環器のカテーテル班になると精子が減り、女の子しか生まれなくなると言われています。もちろん、医療業界の都市伝説ではありますが‥‥」
放射線の見えない恐怖と闘っているのは、空を飛び交う航空業界も同じだ。高度1万メートルの上空では放射線量が激増するのだ。
「乗客として乗る場合は、気にすることはないが、月に20~30回空を飛んでいる航空機乗務員は、積算すると被曝量が高くなります。それだけでガンになったという話は聞かないが、ハイリスクだとは言えます」
憧れのスッチーも意外に寿命は低滑空!?
夜勤のイメージが強いだけに常に早死にの職にランキングされる看護師はどうか。
「夜勤がある看護師はきつい仕事だけに早死にだと言われているようですが、実際にはしっかりローテーションが組まれ、週休2日は守られている。極端な話、患者が死にかけていても時間が来れば交代するのが看護師です。逆に『ウイークデー』に休めるからと夜勤ばかりする人もいるくらい」
この他、夜勤が必須の仕事はどうか?
「労働基準法で守られている範囲での夜勤なら寿命は短くならない。これは警備員も同じです。その点、厳しいのが介護士です。夜中に呼び出されて薬を出すだけで済むならいいが、部屋を汚物で汚されたりすると処理に何時間もかかるだけに、看護師より大変です」
介護士が新3K職となるようでは日本の未来は暗くなる一方だ。
「若手の医者は3日連続夜勤などがあり、疲弊しています。勤務医もモンスター患者はいますし、中には怖くて自分を検査しない人も多い。医者は長生きできませんね」