大阪都構想を巡る住民投票で敗北し、「政界引退」を表明した橋下徹大阪市長(45)。直後の会見で終始笑顔だったのは、当初劣勢と見られていたのが僅差にまで迫った満足感もあるだろう。が、その裏にあるのは“引退”後の「金満ライフ」かもしれない。何しろ辞職後の収入はタレント弁護士時代の「3億円」を優に超えそうだというのだ。
「街頭演説とかタウンミーティングは1日3回とかでしょ。知事になる前なら1回1時間半しゃべって、いくらもらっていたのかって考えたらね‥‥。これからの人生が楽しみです」
住民投票直後の「敗北&政界引退会見」でこう語っていた橋下氏。08年に、大阪府知事に就任したばかりの頃には、府議会で、
「私は知事職に就く前に3億程度の収入がありました」
とも言い放っていた。
橋下氏が知事選に出馬する以前のタレント弁護士時代の収入の大半は、テレビ出演料だったと言われる。市長時代の約2123万円(大阪市が公開した平成25年分所得合計)の15倍だったわけだが、2自治体の首長を務めたうえでタレント弁護士復帰となれば、さらなる増収は必至だという。
在阪テレビ局関係者が言う。
「すでに橋下氏と仲のいい局員たちは『フリーになられたらぜひ』と橋下氏に出演のお願いをしています。出演料も知事以前と比べて当然ランクは上がる。単発で1回100万~200万円もある。今回の投票では女性票が逃げたと言うけど、橋下氏はメイン視聴者の“大阪のオバチャン”の注目度が高いんですわ」
そんな橋下氏のタレント性を、かつていち早く見いだし、東京進出のきっかけを作った放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏は、「いずれは政治家に戻る可能性のほうが高い」と前置きして、こう分析する。
「普通の弁護士としてもタレントとしても政治家としても成功した。橋下さんは常に新しいことをやりたがり『逆行しない』人。だから今後は今までやっていないことをするでしょう。国政や都知事もそうですが、もし本当に“2万%”政治家を辞めてテレビに出るなら、今まで未経験だった『番組の司会者』を務める可能性はありますね。橋下さんなら話術も知識もあるから、情報番組などの司会は向いていると思います」
ただし、さる在京キー局関係者からは、
「大阪のイメージがつきすぎて、全国区では使いにくい」
との指摘も。この点、デーブ氏はこんな見方だ。
「東京のテレビ局は今、コンプライアンスを気にしすぎですからね。ダウンタウンの生放送でも危ない発言をカットできるように5分遅れで放送する。その意味では橋下さんは大阪の番組での復帰が現実的。東京のキー局と違って、ほとんど何も制約がないですから」
前出・在阪局関係者も、
「やしきたかじんさん亡きあと社会問題に本音で切り込む司会者が不在です。橋下さんはたかじんさんとの交流もあったし、1発目はぜひ大阪でやってほしい」
と、まずは大阪でのテレビ復帰を待ち望んでいる状況だ。