ほんの少しでも目をそらしたら、会えるチャンスを失ってしまう。わずか15秒の映像に、魅力のすべてを凝縮したCMシンデレラたちの住む世界。厳選を重ねたアイドル女優が「最も輝いた瞬間」がここに!
おそらくすべての映像ジャンルの中で、出演へのハードルがもっとも高いのがCMだろう。スキャンダルNG、好感度重視と条件は厳しいが、それをかいくぐって売れっ子の座にあるのが石原さとみである。
特に12年から始まった焼酎の「ふんわり鏡月」(サントリー)はロングセラーの部類。アイドル評論家の織田祐二氏が言う。
「アイドルのお酒CMではダントツで、秀逸のシリーズ。アドリブっぽい『今までで一番恥ずかしかった話しない?』とか『ハイハイ、私がわりぃございました』とか、しゃべりがかわいすぎ。一緒に飲んでる気分でほっこり癒されますね」
石原が現在進行形なら、もう二度と観ることがないのは新垣結衣の「ポッキー」(06~08年、江崎グリコ)だろう。ガッキーが陽気に踊りまくるポッキーダンスは、子供からお年寄りまで誰もが幸せな気分になれた。
「いくつかバージョンがあるが、個人的には赤のノースリーブミニスカワンピに黒のブーツではじけまくる姿。満面の笑顔で、地上に降りてきた天使かと思った。15秒や30秒では短すぎで、もっと永久的に観ていたかった」(前出・織田氏)
ガッキー同様にCMで破壊力を発揮したのが柴咲コウだ。99年の「ポンズWホワイト」(日本リーバ)のCMは、きっぱりと言い放つ「ファンデーションは使ってません!」のセリフに話題騒然となった。
「あまりに美人で、さらに撮影時は17歳と聞いて2度びっくり。それまではかわいらしさ優先だったCM美少女の基準が、ここから大きく変わりました」(前出・織田氏)
現在の写真と比べてみても、まったく衰えがないところに3度びっくりでもある。
映画の「蛇にピアス」(08年)はハードな描写に仰天させられた吉高由里子だが、CMでは本来のスマイルが生きてくる。ここはやはり、サントリーの「トリスハイボール」(10年)を挙げないわけにはいかない。
「石原のしっとりさと違って、ワイワイにぎやかに飲む様がすばらしい。笑顔で『うまっ!』と言うセリフは、迷わずこちらもハイボールに手をのばしたくなる。レモンにチュッとした時の愛くるしい表情も良く、シリーズ化されたのも納得です。ものまねされやすいのも愛されてる証拠でしょう」(前出・織田氏)
最後は、ドラマやCMで売り出し中の本田翼だ。織田氏が推すのは、13年の「C1000ビタミンレモン」(ハウスウェルネスフーズ)のCM。
「イケメン男に遭遇して、驚いて照れまくるシリーズです。クルクルと変幻自在の表情が良かったですね」
気がつけば22歳にして40社以上のCMに出演している本田翼。先輩たちをさらに追い落とし、真のCMクィーンになる日は遠くなさそうだ。