たとえ、どれだけ大女優になろうとも、永遠に忘れられない「ピュアな瞬間」がある。彼女が立っている場所だけ、七色のレインボーが降り注いでいるような奇跡の瞬間だ──。アイドル女優たちが“最も輝いていた瞬間”を徹底討論!
まずは、「美少女」の代名詞だった堀北真希から。美少女研究家の高倉文紀氏は、彼女のメモリアル作として「野ブタ。をプロデュース」(05年、日本テレビ系)を推す。
「当時の彼女の陰がある深い演技がよかった。演技力に可愛らしさが加わり、メインであるジャニーズの2人(亀梨和也と山下智久)とも遜色がなかったですね」
ドラマ自体の評価も高く、主題歌の「青春アミーゴ」は同年のCD売り上げ1位に輝く。堀北にとって出世作の呼び名が高いのは、こうした追い風を味方につけたからでもあるようだ。
13年のNHK朝ドラ「あまちゃん」に出演以降、急激にブレイクしたのが有村架純だ。今年3月公開の主演作「ストロボ・エッジ」、5月公開の「ビリギャル」ともに20億円以上の興行収入を記録。その原点にあるのは、10年の「SPEC」(TBS)ではなかったかと前出の高倉氏は言う。
「竜雷太扮するベテラン刑事の愛人というユニークな役柄で、デビューしたばかりの彼女をここで知った人も多いはず。堤幸彦監督にコメディエンヌの要素も叩きこまれ、同世代の女の子から年配の男性まで、幅広い層に支持されるきっかけになりました」
有村と対照的に、オンタイムで苦境にあえぐのが大河ドラマ「花燃ゆ」の主演を務める井上真央だ。5月17日放送分では視聴率9.4%と、またまた最低記録を更新してしまった。
「いろいろな問題がありますが、主演である以上、私の力不足ですとしか言えない」
あろうことか、ヒロインが謝罪会見まで開く異例の事態に発展した。では、ありし日の真央のベストワンは何か? パッと浮かぶのは出世作となった「花より男子」(05年、TBS)だが、
「いや、やはり子役時代の代表作となった『キッズ・ウォー』(99~03年、CBC)をプッシュしたいですね。キュートな顔で『ざけんなよ!』というセリフ。正義感あふれる魅力的な役柄に釘づけになりました」(アイドル評論家・織田祐二氏)
視聴率の責任を突きつけられる今こそ「ざけんなよ!」と叫びたい心境だろう。
そんな真央の、大河ドラマのヒロインとしては先輩にあたるのが宮崎あおいだ。08年の「篤姫」は、21世紀最高の24.5%の平均視聴率を獲得。。ではあるが、前出の高倉氏は地上波ではなく、BSで放送されたドラマをマーク。
「02年の『ケータイ刑事 銭形愛』(BS-i)ですね。世間的には朝ドラの『純情きらり』(06年)と『篤姫』なんでしょうけど、あれは大人になってからの作品。少女と大人の中間にあったのが『ケータイ刑事』です。広末涼子の登場時にも似た天才性を感じさせましたし、BSドラマなので実験的なコメディ要素もうまくこなしていました」
決めセリフの「謎は解けたよ、ワトソン君!」は、2代目の堀北以降も胸キュンフレーズとして継承されている。
続けて高倉氏は、北川景子の“神作品”に「太陽と海の教室」(08年、フジテレビ)を選んだ。
「モデルから女優に転向したこともあり、画面でのスタイルの良さが際立っていた。その前年には初主演ドラマの『モップガール』(テレビ朝日)もあったけど、若い教師役を演じた『太陽と海の教室』のほうが魅力的でした」
このドラマの成功を機に、テレビや映画で次々とヒロインの座を射止めているのは説明するまでもないだろう。
最後はフレッシュなところで西内まりやを。昨年の日本レコード大賞で最優秀新人賞に輝いたように歌手の、さらにはモデルのイメージが強いが、実はドラマ出演も少なくない。
「中でも飛び抜けて良かったのは『GTO』(12年、関西テレビ)の葛城美姫役。今でもはっきり憶えていますが、席は一番前の窓側。クラスの女子高生の中で誰よりも輝いていました。さすがに『10代女子のなりたい顔NO1』に選ばれただけの美しい顔立ち。さらに169センチの高身長からスラリと伸びた美脚。魅力的でしたねえ」(前出・織田氏)
5月には自身初の作詞作曲を手掛けたCDをリリースした。アーティスト志向も強いようだが、やはり、あれだけのビジュアルはドラマで生かしてもらいたい。