NHKの朝ドラ「まれ」で、ストーカー行為を正当化するようなセリフが堂々と放送され、良識ある視聴者を驚かせている。問題の場面は6月18日放送の第70話で、りょう演じる中国料理店のオーナー池畑輪子が語ったこのセリフだ。
「結局はね、ストーカーっていうのの線引きっていうのは行為じゃなくて、誰がってことだと思うんだよね」
このセリフは、ヒロインの希(土屋太鳳)が大輔(柳楽優弥)に「可愛いね」と言われ、大きく動揺したことを告白した場面で出てきたもの。輪子は自らの経験として、かつて風邪で寝込んでいるときにお見舞いに来てくれた男性2人を例に出し、最初の男性にはデリカシーのなさを感じたのに対して、次に来た片思いの男性には嬉しさを感じたと話したのである。
「これぞまさに、“ただしイケメンに限る”の典型例じゃないですか。ネットの世界では冗談めかして使われるフレーズで、多くの女子が内心ではそう思っているのも事実ですが、それを言葉にしてしまったら、『それを言っちゃお終いよ』なんですけどねえ」(芸能ライター)
今回の輪子の発言は、いい男にならストーカーされても大丈夫と言っているようなもの。愛国無罪ならぬ、美男子無罪というわけだ。バラエティ番組ならともかく、幅広い年齢層が観ているNHKの朝ドラで聞ける台詞だとは、ちょっと信じられないだろう。
「面白いことに、このセリフをしゃべったりょうは、ストーカー被害に遭う役を演じたことがあるんです。2004年放送のドラマ『離婚弁護士』(フジテレビ系)に夫と別居中の妻役でゲスト出演。知り合いの男性に夫のことを相談しているうち、その男性からストーカーされるという内容でした」(前出・芸能ライター)
その時々の役柄によって、ストーカーに怯えたり、またはストーカーを肯定してみせたりと、女優もなかなか大変な商売のようだ。