昨シーズン成果を上げていた橋上コーチに関して、原監督は複雑な感情を抱いていたと言われる。そもそも橋上コーチが巨人入りしたのは11年オフ、当時の清武英利GM(64)の肝いりで、戦略コーチとして入閣したのだ。
「橋上コーチは就任初年度から、打線の低迷を改善させて結果を出しました。そのため重宝されていったのですが、原監督は橋上コーチからアドバイスを受ける関係を好ましく思っていなかったようです。というのも、橋上コーチを迎え入れた清武GMは、11年の解任以後、球団と泥仕合を演じ、12年の原監督の『1億円不貞問題』暴露の仕掛け人とも言われている。“清武氏のプラスの遺産”だった橋上コーチにお伺いを立てるような構図に耐えられなかったようです」(球界関係者)
結果、昨オフから一軍の打線を預かるのは、村田真一総合コーチ(51)、清水隆行打撃コーチ(41)、高橋由伸兼任打撃コーチという布陣になった。一部では、原監督が指揮を執りやすい「イエスマン体制」とまで揶揄されている。
「原監督は不調の選手たちに『自分で修正できるようになりなさい』と言います。言いかえれば、下降気味の打者を修正させることができるコーチがいないんです。高給取りの主力は自己責任でいいかもしれませんが、まだ確固たる形を持っていない若手が早出特打ちに出てもコーチからの根本的な指導はないので、早出は“見せ練”と化し、単なるアピールの場となっています」(スポーツライター)
一方で、今季より二軍で指導する内田順三打撃コーチ(67)がチーム内で、全幅の信頼を得た。堂上剛裕(30)や立岡宗一郎(25)などが一軍に上がるや結果を残し、それぞれ3割以上をマーク。そればかりか、二軍に落ちていた阿部や村田修一(34)、絶不調の長野久義(30)なども指導を仰いでいる。
「交流戦休み期間には、よみうりランドで一軍と二軍の練習が重なることがあったのです。驚いたことに、川相昌弘ヘッドコーチ(50)と村田コーチが内田コーチに教えを乞いに行っていました。一軍のコーチがみずから出向いていく姿に頼りなさを感じました」(スポーツライター)
原監督も自嘲気味に「二軍はいい練習をしている」などと口にしているようだが、確かに一軍の打撃指導は賛否両論となっている。
象徴的なのが、昨年の秋季キャンプから原監督の発案で行ってきた、160キロマシンの速球を金属バットで打つ練習だ。
「あれで打撃を崩した選手は多い。何より、速球に合わせる意識でコンパクトスイングとなる打者が増えたためにホームランが減ったんです。思い切り振り回す打者が減ったことで、相手投手への脅威も減りました」(スポーツ紙デスク)
特にあおりを受けたのは、秋季キャンプで160キロ速球に差し込まれ続け、オフに自主トレでフォーム改造をした村田だ。
「ゆったりしたフォームから慌ただしくタイミングをとるようになりましたが、相変わらず速球には差し込まれ、試行錯誤したのに、もはや“半速球”しか打てなくなっている」(球界関係者)
シーズン途中から4番を任されている坂本も、本領発揮とはいかない状態だ。
「坂本は今季より、阿部から引き継いでキャプテンに就任しました。4番阿部の負担を減らす目的もあると説明されていた。ところが、今度はその坂本にタイプの違う4番の重責を押しつけているのですから‥‥」(巨人番記者)