アンケートはトータルで22問。氏名と職場の“人定”を行う質問から始められ、職員ひとりひとりの組合活動への関わり具合を探る設問が並ぶ。
その設問が凄い。組合活動への参加の有無を問う設問では、〈誘った人〉〈誘われた場所〉〈誘われた時間帯〉まで書き込むようになっている。
これだけではない。憲法で保障されている思想信条の自由や結社の自由にも抵触しかねない項目が並ぶ。
〈この2年間で特定の政治家を応援したことがあるか〉を問う設問があったかと思えば、〈組合への加入の有無〉や〈組合による選挙での投票要請の有無〉など、まさに微に入り細をうがち根掘り葉掘り、組合活動の実態を把握しようとする意図がうかがえる。
また、アンケートの中身もさることながら、極め付きは、橋下市長のサイン入り文章で、〈このアンケート調査は、任意での調査ではありません。市長の業務命令として、全職員に、真実を正確に回答していただくことを求めます〉
と、アンケート自体が業務命令であることが明記されているばかりか、
〈正確な回答がなされない場合には処分の対象となりえます〉
と、府知事時代の「ハシドクの再来」とも言える文言まで加えられているのだ。
この思想調査と言うべきアンケートに、大阪市職員は困惑の色を隠せない。
「アンケートと言いつつ、『正確に書かないと処罰される』というのは意味がわからない。市職員は選挙管理など、政治と業務がスッパリと切り離せるわけでない。それなのに『職場において選挙のことが話題になったことはありますか』という設問には、市長支持でなければ罰せられるといったような意図すら感じる」
また別の市職員は、アンケートの中身もさることながら、組合活動の実態を密告することが奨励されている文章に不快感を表す。
「アンケートには『過去2年間』と『過去すべて』の質問が混在し、とにかく答えにくい。質問によっては、回答はしなくてもかまわないとしつつも、通報窓口に無記名で情報提供するのも可とあり、通報を要請されている気がする」
こうした戸惑いの声は、市職員だけに限らない。アンケートが配布されて以降、大阪弁護士会をはじめ、東京弁護士会、弁護士や学者と労働・市民団体で結成される民主法律協会、大阪労働者弁護団など、各種法律関係団体が、会長あるいはトップの名で反対声明を掲げ、事態は風雲急を告げようとしている。
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