アイドルっぽい顔だちで、ドラマやCMで癒やしの笑顔を見せたかと思えば、生意気な金髪ギャル役もこなす。徐々に演技の幅を広げてきた女優・有村架純が、ついに「本格艶技」に挑む。濃厚濡れ場で知られる監督が描くのは、真夏の山奥での同棲生活。極秘に撮影がスタートした主演映画の「大胆シーン」を、どこよりも早くロードショーする!
千葉県内の山里の集落の外れにある、小高い丘の斜面に造成された墓地。有村架純(22)が、お世話になった女性の墓に年下の恋人と手を合わせながら、夕焼けに頬を染めた彼に目を閉じたままでいるように言う。そして、意を決して、ある「重大告白」をする、こんなシーンが展開される。
〈もう、わたしの心臓は、誰か他人の手でぐいぐいおされているのではないかと思うほど、激しく拍動していた。こんなにドキドキしていると、わたしのなかの「もうひとつの小さな心臓」が壊れてしまうのではないかと思って、わたしはまた深呼吸をした。
そして、子宮にぐっと気持ちを込めて、言った。
「わたしね、赤ちゃんが、できたの‥‥」〉
──今や国民的清純派女優と言っても過言ではない有村が、本人史上最も「濃厚な濡れ場」に挑むという映画のタイトルは「夏美のホタル」。
「7月9日に、原作の舞台と同じ千葉県内で、一部の出演者の撮影が極秘にクランクインしたんです」
と明かすのは、ロケ地の関係者。あとを引き取って映画記者が声を潜めて言う。
「主演の有村のシーンの撮影は8月からだそうです。ただ、有村は、すでに映画の中で何度も運転シーンが登場するバイクの免許を取っているといいます。それほどこの映画に熱が入っているんです」
冒頭の“妊娠告白シーン”も描かれた、この映画の原作は、森沢明夫氏の同名小説。森沢氏は「津軽百年食堂」などの作品で知られ、12年に公開された高倉健の主演映画「あなたへ」のノベライズを手がけ、昨秋公開された吉永小百合(70)が初プロデュースに挑戦した「ふしぎな岬の物語」の原作者でもある。今年も鈴木杏樹(45)主演で「ライアの祈り」が映画化されるなど、映画に縁の深い注目の作家だ。
原作によれば、有村が演じる「夏美」は、千葉県の幼稚園教諭。夏美は、1つ年下の美術大学で写真を学ぶ恋人の「慎吾」とともに千葉県の山奥の村を訪れる。その村の自然に共感し、さらにそこで出会った、ともに年老いた母と息子と意気投合。そして卒業制作の写真をこの村で撮りたいという慎吾と、夏休み期間中の1カ月、母子の住む民家の離れを間借りして、ふだんは別々に暮らしている2人が、ひと夏の同棲生活を始めるという展開だ。
これだけでも期待は高まるが、有村は、今年公開された金髪で短いスカート姿の女子高生に扮してヒットした映画「ビリギャル」(東宝)の銭湯入浴シーンで、女友達といちゃつきながら水滴がはじける肌を見せている。かと思えば、同作品の試写会では短いスカート姿の自分のパネルを指さし「これは、はいてません」と発言するなど、どんどん色っぽさをアピールしてきている。しかも──。
「『夏美の──』のメガホンを取るのは、廣木隆一監督。数多くのピンク映画を手がけただけでなく、女優の脱がせっぷりに定評がある監督ですよ」(前出・映画記者)
例えば、03年公開の「ヴァイブレータ」ではトラックの車内で、当時30歳の寺島しのぶの“大胆艶技”場面を撮りきった。映画評論家の秋本鉄次氏も、その手腕を高く評価する。
「今年公開された『娚おとこの一生』で、榮倉奈々(27)最大の色っぽいシーンを生み出したのが廣木監督です。豊川悦司(53)にベッドシーンで足の指を1本ずつ舐められるシーンは足好きにはたまらなかった。原作にもある場面でしたが、映画では『ここが肝だ!』と言わんばかりに、ねっとり大胆に描いてくれました。榮倉自身も『余命1ヶ月の花嫁』(09年)で信頼関係があり、監督の才能や魔性に引き込まれて解禁したのでしょう。有村も『ストロボ・エッジ』(15年)で監督の才能は理解したはずですよ」